インターネット通販大手のアマゾンジャパンが、プライム会員向けの新サービス「プライムミュージック(Prime Music)」を11月18日から開始した。その詳細について、デジタルミュージック部門バイスプレジデントのスティーブ・ブーム氏と、プライム・デリバリーエクスペリエンス事業本部長の市川智基氏に話を聞いた。
従来のプライム年会費のみでフルサービス提供
――まずは「プライムミュージック」の内容について教えて下さい
ブーム「『プライムミュージック』は、『お急ぎ便』などを利用できるプライム会員なら、追加料金なしで楽しめる音楽の配信サービスです。国内外のアーティスト100万曲以上の楽曲が無制限にストリーミングで聴けるだけでなく、iOS、Android、Fireタブレットなど、アプリをインストールした端末へのダウンロードも可能で、広告が一切入らないのも大きな特徴です」
――先行しているグーグルの「Google Play Music」やアップルの「Apple Music」との大きな違いは?
ブーム「音楽ファンの“メインストリーム(=主流派)”を意識した楽曲や仕組みを用意していることです。Amazonは2001年から日本国内で音楽コンテンツを販売していますが、CDの購買数は一人あたり年間4~5枚程度。つまり、日常生活の一部として音楽と気軽に付き合うユーザーが主流なのです。そういった方々にとっては、年間1万円以上のコストがかかる先行サービスは負担が大きいため、プライム会費3900円でより充実した音楽体験をしてもらえる仕組みをデザインしました」
市川「カジュアルユーザーであっても、深みのある音楽体験をしてもらうため、好みの音楽に出会うチャンスを充実させました。その一つは、Amazonが全てのサービスで重視しているおすすめ機能で、過去の履歴から関連性のある楽曲を提案してくれます。もう一つがプレイリストからのアプローチです」
ユニークなプレイリストからお気に入りを発見
ブーム「プレイリストは、アーティストやジャンルごとのセレクトはもちろん、『エンターテインメント』『フィットネス』『気分』といった、アクティビティやシチュエーションに寄り添ったリストも用意しています。現在は『締め切りに追われた時のクラシック』というようなユニークなリストなど、日本向けに数百種類を用意し、今後さらに増やしていく予定です」
――今年はプライム会員向けの新サービスが次々と始まりました。
市川「Amazonにとってプライム会員向けサービスは、多くの方に利用されている大切な存在。『お急ぎ便』といった、配送時間の短縮サービスからスタートし、今年は映像配信の『プライムビデオ』や、日用品の買い物をより便利にする『パントリー』などを会費据え置きで開始するなど、よりプライム会員の魅力が増した年と言えます。会員サービスはさらに充実させていきますので、期待してください」
ブーム「『プライムミュージック』は、昨年サービスを開始したアメリカをはじめ、今年始まったイギリス、ドイツ、オーストリアでも大きなシェアを獲得できました。日本は5番目の国で、アジアでは初となります。まだプライム会員でない方はぜひ登録して『プライムミュージック』にアクセスしてほしいです。充実した音楽体験の新しい選択肢は、日本の皆様にもきっと満足していただけるはずです」【東京ウォーカー/取材・文=杉山元洋】