地方ごとに味付けの好みに違いはあるが、おもしろいことにモスバーガーでは、東京ではモスバーガーが、関西を含む西日本では地域によりテリヤキバーガーが売上げNo.1なのだという。モスバーガーは看板商品なので当然として、なぜ関西でテリヤキが支持されているのだろうか。
そもそもこのテリヤキバーガーは、モスバーガーが元祖。同社創業の翌年にあたる1973年に発売された。創業後しばらくして、「日本生まれの当社ならではのまったく新しい和風ハンバーガーが作りたい」と思った創業者が、アメリカで食べた“テリヤキ”味をヒントに、日本の調味料を使って開発したという。
当初“マヨネーズをあわせた甘めのハンバーガー”は全く売れなかったという。ところが、予想に反して店の常連だった高校生に人気が出て、クチコミで広まってようやく人気商品となった、というエピソードがある。
モスに理由を尋ねてみると「テリヤキバーガーは醤油や味噌をつかった和風ダレが特徴ですが、モスバーガーより少し甘いですよね。もともと少し甘めの味付けを好む地域では、焼き物などに使う照り焼きのタレも甘めですので、この甘さが関西にあっているのではないでしょうか。実際糖分は、モスバーガーよりテリヤキバーガーの方が上なんです」という。
一方、大阪在住で人気ハンバーガーブログ(http://blog.goo.ne.jp/sintaro0919/)を主宰する藪さんは「関西のソース文化が理由では」と推測する。「関西人は小さい頃から、夏休みは毎日お昼にお好み焼きを食べるほど『ソース文化』に親しんでいます。ソースの持つ“甘くて辛い”テイストが、テリヤキバーガーのタレにぴったりはまっているため、“関西人にとって親しみの持てる味”ということではないでしょうか」。
最近は野菜だけではなくパティの肉も国産にこだわった商品を投入するなど、独自の“国産”路線を推し進めるモスバーガー。だが、関西でのテリヤキバーガーの人気は、動じることがなさそうだ。【関西ウォーカー】