世界中で愛される名作「星の王子さま」のその後を描いたアニメ映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」。母親の言いつけを守り勉強漬けの毎日を過ごす女の子が、隣に住む老飛行士から星の王子さまとの出会いの物語を聞く。しかし王子との再会を望んでいた老飛行士が病に倒れてしまい、彼女は王子を探す冒険の旅に出る。日本語吹替え版では、女の子とそのお母さんの声を、鈴木梨央と瀬戸朝香が担当する。
―原作「星の王子さま」はご存知でしたか?
瀬戸「小さいころにちゃんと読んだ記憶はありませんが、有名な作品なので知っていました。『星の王子さま』のその後のお話ができたってことだけでもびっくりしましたし、作品に参加できると聞いたときはすごくうれしかったです」
鈴木「名前は知っていましたが、このお話をいただいて初めて読みました。最初は難しいなと感じながらも、キツネやヘビなどいろんなキャラクターが出てきて、楽しい作品だなと思いました」
―アフレコに挑戦してみていかがでしたか?
鈴木「女の子と同じようにわくわくしたり、悲しい気持ちになったりしながらアフレコをしました。感情が入りすぎて映像と声がずれてしまうこともあって、大変だなと思いました」
瀬戸「教育熱心ですが娘思いのお母さんなので、愛情を意識して収録しました。歯磨きをするシーンでは、アフレコでも『実際に歯を磨くのかな?』と1人で考えていたんです。そうしたら収録前に口に指を入れて歯ブラシをくわえている感じを出してくださいって監督に言われてびっくりしましたね」
―普段はドラマや映画などで活躍されていますが、声だけで演じてみて難しかったことはありましたか?
鈴木「小さな声で話すシーンは口がもごもごしちゃうので、ハッキリと声を出すことを意識しました。あとは出だしの声が小さくなってしまうことがあったので、そこは何度も練習をしました」
瀬戸「声の演技は自分のなかで"ため"を作ることができず、口の動きにあわせる作業になるので、慣れるまでは大変でした。娘に与えたプランを読み上げるシーンはスピードとテンポが重要だったので、中盤に収録をしたとはいえ苦労しましたね」
―完成した作品をみていかがでしたか?
瀬戸「梨央ちゃんの声がキュートで力強く、感情もしっかりと入っていたので、私もどんどん女の子の気持ちになっちゃいました。CGだけではなく、ストップモーションアニメが入ることで、ぬくもりや温かさを感じることができました」
鈴木「収録がバラバラだったので、最初に見たときはキャラクターが会話していること、スクリーンから自分の声が流れてくることに感動しました。ドキドキハラハラするシーンもあって、目が離せませんでした」
―第68回カンヌ国際映画祭の特別招待作品としてワールドプレミアで上映されましたが、実際にカンヌに参加してみていかがでしたか?
瀬戸「このお仕事をしているなかでは、カンヌは夢でもあったので一生の宝物になりました。滞在期間も短くバタバタとしていましたが、レッドカーペットを歩く喜びも噛みしめることができ、凝縮された時間でした」
鈴木「緊張しましたが、日本の着物を着て、瀬戸さんと津川さんと一緒にレッドカーペットを歩くことができてすごく楽しかったです。スタンディングオベーションが15分くらい続いて、私も一緒に拍手していたので手がヒリヒリしました(笑)」
―最後に読者へのメッセージをいただけますでしょうか?
鈴木「9歳の女の子が飛行機に乗って、星の王子さまの世界を大冒険します。笑ったり、怒ったりとたくさんの感情が詰まっています」
瀬戸「『星の王子さま』のその後の物語を描いた幅広い世代の方に楽しんでいただける作品です。見終わったあとに感じた大切なことを多くの方に伝えていただければ幸いです」
【取材・文=リワークス】