日本初の屋内型テーマパークであるサンリオピューロランド(東京都多摩市)で、2015年12月より25周年のアニバーサリーイヤーがスタートした。限定フードやグッズを展開する中、8年ぶりに一新したパレード「Miracle Gift Parade」に注目が集まっている。
「ミラクル(奇跡)」がテーマの新パレードは、ピューロビレッジ1階の「知恵の木」が舞台。ハローキティをはじめとするサンリオキャラクターたちが、メルヘンチックで心温まるストーリーを展開する。そこで記念すべきお披露目の日に、アートディレクターを務めた増田セバスチャンに話を聞いた。
色を多様に使ったカラフルな作品で知られ、“原宿KAWAII”カルチャーの第一人者として知られている。新パレードはヒャダインこと前山田健一が作詞・作曲を担当したポップなメインテーマ曲とあわさって、“KAWAII”世界観に仕上がっている。「サンリオがもともと持っている世界観を素直に出すこと大切にしました。そこから楽しくて、かわいくて、誰もがハッピーになるという考えをベースにイメージしましたね」と増田は話す。
本作品は演出と連動してカラフルに光る「ミラクルハートライト」(1500円)でゲストも一体となって楽しめる参加型パレード。演出面では「華やかさとダンサーにもぜひ注目してほしい」とのこと。
「コントラストの強いカラフルな世界を間近で観てもらうことによって、”色が持つパワー”で元気を出してもらえたら。もともと、僕の中に”サンリオのイメージ”というのがあって。そこからさらにパワーを増幅させた感じです」。「25周年記念というのはもちろんですが、"ここから先の未来"を感じてもらえたら」と今回のパレードへの思いを熱く語る。
衣装については、「ハローキティとダニエルの衣装から作りはじめたのですが、衣装担当の有村淳さんとアイデアを出しあいながら、5回くらいやり取りをして。その中でパレード全体の方向性も決まりました」という。
あえて多くの色を使い、「色のパワーを感じられるように」と話し合ったそうで「カラフルにデコレーションすることは、人生を豊かにしてくれると思うんです。この作品には、今の世の中に足りないものを出していきたい、そんなアーティストとしてのメッセージも込めました」と話してくれた。
時間を見つけてはリハーサルに足を運んでいたといい、思い入れも相当なもの。お披露目の際は、じっと見入る姿が印象的であった。「もう最初にうるっときてしまって、ぐっと我慢しました(笑)。メルヘンでカラフルな世界を、みなさんにも楽しんでもらえたらうれしい」と笑う。
さまざまな”KAWAII”を生み出してきた増田セバスチャンに、これからやってみたいことを聞いた。
「世界観を提案して、とにかくみなさんをワクワクドキドキさせたい。いま一番やりたいのは、舞台などの生で観てもらえるものですね」。
ストーリー、音楽、衣装…エネルギッシュな「Miracle Gift Parade」で、サンリオピューロランドの新たな世界観を、ぜひその目で確かめてほしい。【東京ウォーカー】