昨年世間を騒がせた、予測のできない局地的な豪雨“ゲリラ豪雨”。各地で床下床上浸水や行方不明者が出たほか、愛知県岡崎市では9つの河川が氾濫、自衛隊の出動を要請するなどの大災害に発展。2008年8/26〜31の期間に集中的に起こったことから、気象庁によって「平成20年8月末豪雨」と名づけられる被害にあった。
このゲリラ豪雨、突発的に発生した積乱雲が、数キロから数十キロのせまい地域に発生、一時的な豪雨になることである。温暖化やヒートアイランド現象が進むなか、今年の発生状況が特に気になるところだが、一体どうなるのだろうか。気象庁に聞いてみた。
「実際のところ、分からないというしかありません。ゲリラ豪雨を前もって予想することは困難なんです。もちろん大雨や雷が発生する可能性がでてきた段階で、注意報や警報を出しますが」(気象庁担当者)。
ということは、事前に知ることは難しいんですね。
「ゲリラ豪雨の原因は、小さな雷雲が突然できること。台風は発生してから数週間かけて移動し、規模も大きいので影響を及ぼす地域を予測することができます。しかしここで見られる小さな雷雲は発生してすぐ弱まるため、予測できないことが多いんです」(同担当者)。
ケースにもよるが、今のところゲリラ豪雨の来襲を事前に知ることは難しいよう。温暖化も進む近年、被害が拡大していますが、関係はあるんでしょうか。
「温暖化に関しては、実は因果関係を証明するのは難しいです。気温の上昇は比較的ゆっくりしており、100年規模で見たら変化はあると思いますが、可能性として証明することは現時点ではできません」(同担当者)。
一方で、原因についてこんな話も。
「温暖化よりも、心配なのは都市化の方です。土が少なくなったことにより雨水が浸透する場所がなく、夕立があっただけでも中小河川が氾濫しやすくなる。都市化が進んだことにより災害が大きくなっているという面もあるんですよ」(同担当者)。
文明の進歩が災害につながるとは、ちょっぴり皮肉だが、都市化が進行する今、ゲリラ豪雨をなくすのは不可能なことなのかもしれない。被害を縮小させるために、ゲリラ豪雨の来襲をすぐに知らせるこんな機能も。
株式会社ドワンゴと株式会社ライフビジネスウェザーが共同運営する天気情報配信サイト『天気・地震・台風速報』では、365日24時間体制で気象情報を監視。10分単位で天気の変化を予測する「緊急防災ニュース」で、直前のゲリラ豪雨だけでなく、竜巻や暴風などの発生をすぐに知ることができる。
「そのほか、ユーザーが設定したランク以上の雨が予測された時点でメールでお知らせする“10分降りダスメール”も配信しています。行楽だけでなく、日常にも使えるシステムだと思います」(ドワンゴ広報担当者)。
これからの季節、天気も崩れやすく不安定な日々が続くが、天気予報を見る、しっかりした傘を買うなどの対策をして、自分の身はしっかり自分で守っていきたい。【東京ウォーカー】