鞘師里保(さやし・りほ)、17歳。彼女が幼少期から憧れていた「モーニング娘。」に加入したのは2011年1月2日。当時12歳(小6)でした。あれから約5年。圧倒的なパフォーマンス力と存在感で、エースとしてグループを牽引してきた彼女は10月29日、自らのブログで卒業を発表。こんなにも早く彼女との別れの時が訪れるとは、誰一人として夢にも思わなかったことでしょう。
12月29日(火)にラストシングル『冷たい風と片思い/ENDLESS SKY/One and Only』をリリースし、31日(木)に「モーニング娘。’15」を卒業。ハロー! プロジェクトには在籍したまま海外留学し、英語やダンスを学ぶという彼女。
卒業を9日後に控えた12月22日、大阪での最後のトーク&握手会イベント前の彼女を直撃! その胸中に迫りました。
――今年の春ツアーの大阪公演で「100円均一ショップ」へのラブレターを朗読するコーナーがあって、<広島から上京した時、100均で全部揃いました>とか、すごく面白かったんですけど、100均にはよく行くんですか?
鞘師「週に1~2回は行きます! 」
――特に重宝しているものは?
鞘師「透明のスマホのケースです。おしゃれなものもたくさんあるんですけど、透明で本体のデザインが見えるのが一番かっこいいと思います。」
――そんな鞘師さんがブログで卒業を発表されました。改めて、卒業という決断に至った経
緯を教えて下さい。
鞘師「今、17歳なんですけど、大人になった自分を想像した時に、足りないところがあるんじゃないかなぁって、すごく感じて、もっと社会勉強をしなきゃいけないと思ったんです。あと、ニューヨークで公演をしたりして、海外に興味を持って、日本で感じられないものを感じられればと思って、卒業という決断に至りました。」
――卒業発表後の12月7日と8日に、日本武道館公演がありましたが、そのMCで「未来の自分に繋がるいいステージだったと思います」と語っていましたね。
鞘師「そうですね。全然悔いはないです。やりきった! という感じです。」
――その武道館公演には、ラジオで共演中の明石家さんまさんも来られていましたね。
鞘師「すごくお忙しいのに、その日も仕事終わりで(公演の)途中から観に来て下さって、優しい人だなって思います。1年間共演させていただいたんですけど、まわりの人のことを大事にされていて、私もさんまさんのような大人になりたいと思います。」
――NHKの『MUSIC JAPAN』では、高橋愛さんが登場するサプライズがありましたね。
鞘師「私が加入した時のリーダーが高橋さんだったんですけど、ずっと9期メンバーのことを妹のように見てて下さっているんですよ。昨日(12月21日)も一人でライブをさせてもらったんですけど、武道館には仕事で行けなかったからって、わざわざ観に
来て下さって。いつまでも憧れの先輩です! 」
――鞘師さんにとってのラストシングルが12月29日(火)にリリースされます! トリプルA面ということで、まずは『冷たい風と片思い』の聴きどころを教えて下さい。鞘師「もともと、つんく♂さんが私のソロ曲として書き上げて下さった曲で、つんく♂さん
との間であった出来事が歌詞に書かれていて、その歌詞を読んだ瞬間に涙が出ました。あと、私のダンスパートもあるんですけど、初めてのジャンルのダンスを踊っているので、新しい私も見てもらえますし、私自身も新しい自分に出会えた感じです。」
――ソロダンスパートは、他のメンバーが帰った後もずっと撮影していたそうですね。
鞘師「メンバーが帰り支度をしている途中から撮影してたんですけど、終わったメンバーから順番に私のダンスをケータイで盗撮しに来て、面白がっていましたね(笑)」
――そして、『ENDLESS SKY』は?
鞘師「『冷たい風と片思い』が私自身のことを歌っている曲だとしたら、この曲は私の卒業を歌った曲だなぁって思っています。曲を聴いて下さる方が、例えば高校進学する時に中学の友達とバラバラになるとか、自分の今までの経験に重ね合わせて聴いてい
ただけたらと思います。」
――武道館でこの曲を歌った時は、こらえきれずに…。
鞘師「本当は泣きたくなかったんです! 最後の日じゃなかったので。でも、歌っていたら、どうしてもこらえきれませんでした。武道館やりきった! って言いましたけど、そこだけが悔いが残ってますね。」
――3曲目の『One and Only』は、全て英語の歌詞ですね。
鞘師「本当にレコーディングが大変でした。日本語の歌詞もいただいていたので、意味は理解して臨むことは出来たんですけど、自分が知っている英単語が変に“日本語英語”になっちゃうんですよ。それを英語の先生に指摘されるうちに、何が何だかわからなくなって…。テイクを重ねていくうちに、何とかクリア出来た感じです。」
――今日は12月22日。卒業まであと9日ですが、今の心境は?
鞘師「正直まだ実感できていなくて、卒業した後、どんな気持ちになるのかわからないんですけど、昨日まではあと10日だったのに今日で1桁になって、えっ!?あと9日しかないの?って、ちょっと焦ってます。だからこそ、ファンの皆さんと一緒に過ごせる残りわずかな時間を大切にしたいなと思います。」
――12月31日、中野サンプラザでのカウントダウンライブが最後のステージですが。
鞘師「私がモーニング娘。に加入した場所なので、中野で始まり、中野で終わるっていうことになりますね。最後は自分の未来に向かっていく姿を、かっこよく見せられたらいいなぁと思っています。」
――それでは最後に、ファンの皆さんや、読者の皆さんにメッセージをお願いします!
鞘師「鞘師はマジメだとか、ストイックだとか言われるんですけど、全然そんなことはなくて、まわりの人に助けてもらいながら、支えてもらいながら、ここまで来れました。日本にまた帰って来た時は、一段と強くなった鞘師を見ていただけると思うので、楽しみにしていて下さい! 5年間、見守っていただいて、ありがとうございました! 」
より美しく、かっこよくなった彼女に再会できる日を心待ちにしたい。
りほりほ、卒業おめでとう!
【取材・文=ポッター平井】