【WEB連載:はーこのSTAGEプラスVol.20】梅ちゃん3年ぶりのシリーズ新作「梅ちゃんの青い復活祭」!

関西ウォーカー

鼻から豆を飛ばして、もう25年だそう。WAHAHA本舗の歌姫“梅ちゃん”こと梅垣義明。そんな彼が、WAHAHA本舗の本公演では出演者の誰よりも裸体が様になる。…よく知らない人は、ここまで読んだだけだと、引いちゃうかもしれない…。でもご心配なく!とても楽しい舞台なのです!

【「梅ちゃんの青い~」シリーズのこと】

久本雅美や柴田理恵らも所属している劇団兼芸能事務所のWAHAHA本舗で、ソロライブとして1988年からスタートした「梅ちゃんの青い~」シリーズ。身長180cmを軽く超える梅垣義明が、派手なメイクと衣装、大きなかぶりものにハイヒールを身に着けた超ド級の歌姫となって登場する。

冒頭でふれた“鼻から豆飛ばし”芸は、シャンソンの名曲『ろくでなし』を歌いながら、鼻に豆を詰め、「ろくっでなしっ、フン!」と、客席に豆を飛ばしまくるネタ。今や『ろくでなし』は梅ちゃんの持ち歌だと思う人も(持ち歌ではありません)。それでいて、歌がマジで上手い。歌にどうアプローチして名曲を表現するか、そのコラボ具合が梅ちゃんワールドなのだ。

例えば、会場右側のお客さんはネギ、左側のお客さんは干しシイタケを持って、客席で投げ合う。その間、梅ちゃんは舞台上で竹内まりやの『けんかをやめて』を歌う、とか。また、美空ひばりの『川の流れのように』を歌いながら、股間からホースを出して客席に水をまく、とか…。

足掛け28年。最初はシャンソン歌手から始まり、ジャンルを超えて名曲からB級ソングまで約280曲を歌い、名作・迷作280ネタを披露して、お客さんを楽しませてきた。中には、立ち入り禁止になった劇場もあったけどね(笑)。

水にぬれても、キャベツをかぶっても、龍角散まみれになっても…お客さんは「もっと~!」と大喜び。梅ちゃんは、客席中をサイズ27cmの特大ハイヒールで疾走し、時にはお客さんの座ってるいすの背もたれの上を、歌いながら最後列まで渡って行く。メッチャ邪魔!だけど、お客さんはみな、梅ちゃんが落ちないように支えて…。梅ちゃんの体当たりのサービス精神!そして、お客さんの犠牲的協力精神!?「お客さんの笑っている顔を見るのが好きだから。下ネタでも、絶対下品にならない品格がある。だから、おじいちゃんやおばあちゃん、家族連れで来てくれるんだと思う」と梅ちゃん。

シリーズを始めたころは、そんな27cmのパンプスを探すのはなかなか難しかったそう。「今でも、ハイヒールで走らせたら日本一早いから!通勤電車に駆け込むOLに、絶対負けない!」と言う。

【今回の「梅ちゃんの青い復活祭」のこと】

 大阪では、お正月に「新春シャンソンショー」と題したベスト版を上演してきた梅ちゃん。今回は3年ぶりの新ネタ。「ほかの舞台をやっていたんですけど、笑いがない舞台はしんどくてね、未消化な部分がいっぱいあった。このシリーズは、本当に自分がやりたいこと、一番楽しいことだと思ってるから」。だから“復活祭”。

「全部新しいネタです。作ってるうちにノって来てね、これおもしろい、やろうやろうって。くだらないことを、いい歌でやるとそのギャップがおもしろい。いい歌だからこそ、なんですよね。今回は、『おぉ、こんなアプローチが!』というのもあるから。ほんとにおもしろいですよ、自分で言うのもなんだけど」。

アンコールを入れて12本ぐらい、もちろんお客さん参加アリの、約2時間。見どころは?

「20年ぐらい前に知って、ずっと歌いたかった、シャルル・アズナブ-ルの『大根役者』という60年代のシャンソンを歌います。自分なりの解釈ですが、下積み時代から自分を応援してくれた人たちがいて、その人たちがいたからこそ頑張れる、みたいな内容の歌。いろいろ考え、いろんな遠回りがあって、できあがったネタです。全体の世界観を見てほしい。いろんな世代の人に、見たことのない人に来てほしいなと思います」。

今回、梅ちゃんから重大発表があるそうです。「梅ちゃんの青い~」シリーズのファンの人は、全員集合!!

【取材・文=演劇ライター・はーこ】

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