目黒雅叙園(東京都目黒区)は3月6日(日)まで、園内の東京都指定有形文化財「百段階段」において、都内最大級の雛人形展「『百段雛まつり』~みちのく雛紀行~」を開催している。
同展は、過去6回の開催で、観客動員数は延べ34万人を記録している。7回目の開催となる今回は、東北3県、10地域より、日本各地の時代雛が目黒の地に集結。武家に伝わる逸品から東北伝統の郷土玩具まで、およそ500点の人形と約170本のつるし飾りが会場を彩る。また、一般初公開となる伊達政宗重臣・片倉家の雛人形が22年ぶりに蔵から出される他、御所人形、芥子雛などが並び、注目を集めている。
ケヤキの板材で作られた99段の階段廊下を持つ「百段階段」は、2009年に東京都の指定有形文化財となり、目黒雅叙園に現存する唯一の木造建築。
江戸文化の贅を受け継ぎ、貴重な昭和の色彩空間として、今も大切に保存されている。階段を上がった先の7つの部屋にはそれぞれテーマを設けた趣の異なる雛人形たちが展示され、欄間や天井に施された絢爛な装飾と相まって、まるで“雛御殿”の中にいるような空間が楽しめる。
日本の伝統や東北の歴史の厚みを感じさせる、珠玉の雛人形に触れてほしい。【東京ウォーカー】