■やついいちろうの勝手に湯シュラン(19)
大岡山浴場のウリは森林浴。これは、ハイキングや登山をした時に得られる気持ちよさを味わえるというもの。秘密は樹木などから発散されるフィトンチッドという物質。消臭殺菌など空気を浄化する作用と、神経のストレスを癒し、筋肉細胞の活性化を促進させる効果があるらしいです。これを人工的に作って室内に充満させているわけ。浴室内にはミストが降り、小鳥のさえずりのBGMも。
相当なこだわりがあるのでは?とご主人に聞くと「サウナがはやってたから、サウナを作るつもりだったんだけど、建築業者に相談したらさ〜、サウナより森林浴の方がコストが低くすみますよって言うからね」とのこと。理由はどうであれ、この決断のおかげで森林浴を楽しめるわけですから、当時のご主人に拍手です。
そんなご主人、取材の時のかっこうがサッカーブラジル代表みたいだったので、サッカーが好きなのかな?と思い質問すると、「はい? サッカー?」と。偶然だったみたいです。意識せずに見事に正解を出し続けるご主人から目が離せない銭湯でした。【東京ウォーカー6/23発売号に掲載】