コミケやワンフェス、東京ゲームショウなど、コスプレありきの大型イベントは多々あるが、それらとはひと味違う、コスプレイヤーによるライブパフォーマンスが楽しめるイベントがあることをご存じだろうか?そのなかでも、特に人気のイベント「COSLIVE(コスライブ)」に出演するレイヤーたちに、コスプレライブの魅力を語ってもらった。
そもそもの話になるが、コスプレと歌やダンスといったステージパフォーマンスは、そのままでは結びつけて考えにくい。今回集まってもらったコスプレイヤーも、ステージに立つようになったきっかけはバラバラで、NaGiさんの場合はモデル活動をしていたところ、偶発的にコスプレに挑戦することになったという。「雑誌の企画で、アニメキャラの学生服姿で写真を撮ることがあったんですけど、そこでコスプレの魅力にハマって。撮影後、より本格的なコスプレに挑戦したくなって、もともとやっていたダンスと組み合わせたパフォーマンスにも取り組むようになりました」。
一方、小学生の頃からコスプレを楽しんでいたというReoNaさんは、「コスプレとは別に、趣味でバンドもやっているんですけど、友だちから『コスプレとバンドを組み合わせてみたら?』と言われて。試しにやってみたら、これが思いのほか楽しくて、すっかりハマっちゃいました(笑)」と話してくれた。
そんなコスプレ・ライブイベントにおいて、もうひとつ気になるのが、“特定のキャラクターに扮することが、パフォーマンスにはどのように活かされているのか?”ということ。NaGiさんの場合、ダンスの合間のMCに、扮しているキャラクターのセリフや口癖を入れているそうで、「やるからには、できるだけキャラクターに寄せていきたいと考えています。その方が、僕自身はもちろん、お客さんも盛り上がってくれるので。とはいえ、やり過ぎてキャラクターのイメージを崩してしまっては意味がないので、さじ加減には毎回、気をつけています」とのこと。
アキラDXさんの場合は、常に“キャラクターと自分自身の中間”を意識しながら、パフォーマンスに取り組んでいるという。「私の場合、男装をすることが多いので、ステージ上でパフォーマンスをしている最中はクールなキャラを演じていますが、そこから降りて、お客さんと交流するときは、素の自分として接するようにしています。そこは臨機応変に切り替えないと、せっかく来てくれたお客さんをポカンとさせることになってしまうし、何より、私自身がどういう人間なのかも知ってほしいので」。
ライブパフォーマンスに興味を示すコスプレイヤーは急増中!
ちなみに、一般的なコスプレイベントとコスプレ・ライブイベントでは、客層にも違いはあるのだろうか?これについては、NaGiさんから面白い事象を聞かせてもらえた。「通常のコスプレイベントは、写真撮影が目的のカメラマンが大勢参加するのに対し、ライブイベントの参加者は、登壇するレイヤーのファンの方が大半を占めています。同じレイヤーのファン同士でグループを作って、自分たちが応援しているレイヤーの出演時は、最前列に出ていっしょに盛り上がり、パフォーマンスが終了すると、他のグループに列を譲って後退する……といったローテーションが、暗黙のルールとして浸透しているみたいです」。
ハロウィンの普及もあり、ここ数年でコスプレ文化は、一般層にも広く受け入れられるようになってきている。そういった意味では、クラブイベントに近い雰囲気のコスプレライブは、コスプレに馴染みのない層でも、比較的参加しやすいイベントだと言えるだろう。そんなコスプレ・ライブパフォーマンスについて、もともとコスプレを楽しんでいた層からは、どのような声が寄せられているのだろうか?
アキラDXさんの周辺では、ライブパフォーマンスに興味を持つレイヤーが急増しているそうで、「やはり動画投稿サイトで、誰でも手軽にダンスやパフォーマンスの動画をアップできるようになったのが大きいですね。アニメソングに合わせてダンスを踊ることが好きな人たちが、『やるからには、アニメキャラの衣装を着て踊りたい』と思い、コスプレにハマっていくパターンも多いと聞きました」とのこと。
またReoNaさんは、スマートフォンだけで、撮影や動画の投稿ができるようになったことも大きいと話す。「友だち同士で練習中の動画を撮って、気軽に投稿して。それにコメントをもらえるだけでも、頑張ろうって励みになります。私たちが参加しているイベントには、そうした動画からコスプレ・ライブパフォーマンスに興味を持ち、“一度、実際に見てみよう”という気持ちで足を運んでくださるお客さんも、大勢いらっしゃいますよ」。
通常のコスプレイベントとは、ひと味違う楽しみが満載のコスプレ・ライブイベント。来たる2月27日(土)には、「COSLIVE Vol.04」も開催されるので、気になる人は公式サイトをチェックし、足を運んでみてはいかがだろう。【東京ウォーカー/取材・文=ソムタム田井】
<今回のコスプレイヤー>
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