まぁるい“おくるみ”にくるまれた赤ちゃん。胸には自分の名前と誕生日…と思いきや、なんとお米! 出産内祝い用として、赤ちゃんの生まれたときの体重がお米になった“出生体重米”「抱きごこち」が発売から2年たった今でも売れ続けているという。
人気の秘密は、米袋全体が“おくるみ型”になっていること。出生体重分のお米をつめてあるため、まるで生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこしているような気になってくる。
「以前から“出生体重米”というのは珍しくなかったのですが、袋は通常の四角い形のものでした。私自身に息子ができたとき、よりリアルに赤ちゃんを抱っこしている気持ちになれる“出生体重米”があるといいなと思い、工夫して開発しました」と話すのは、販売をしている「米の贈答 好味屋」の小野さん。
独特な丸い形のため、お米を包むにはこんな苦労も。「体重に合わせてお米の量を変えるため、袋のサイズを50g刻みで約40種類用意しています。多かったり少なかったりすると、赤ちゃんの顔をプリントした部分にしわが寄ってしまうんです」(小野さん)。細かい作業のため1つ1つ手作業で袋詰め、1g単位で微調整をするなど、愛のこもった手づくり感も評判が高い。
価格は新潟県産コシヒカリが4400円、山口県産コシヒカリが3700円。4100gまでの赤ちゃんなら、何gでも一律価格だ。HP(http://www.yosimiya.com/)からメールで簡単に申し込めることもあり、1か月で約1000個以上の注文がくる。赤ちゃん1人につき5個〜8個を出産内祝い用に頼む人が多いが、中には60個を頼むツワモノもいるそうだ。
この「抱きごこち」、特に離れたところに住むおじいちゃん・おばあちゃんに絶大な支持を得ているという。「なかなか孫に会いに行けないおじいちゃんが、孫を抱いている気分になれたとおっしゃっていました。中には“こんないいものを作ってくれてありがとう”とお礼の電話をかけてくれた方もいるんですよ」と小野さんは微笑む。
赤ちゃんの誕生の記念となるこの「抱きごこち」、ちょっぴり食べにくい気もするが、「全部お米を出したあと、額縁に入れて飾ってくださっている人もいるようです」(小野さん)とのことなので、袋を記念にとっておくのが一般的なようだ。
「毎回とても喜んでいただけるので、作る方も励みになりますね」と、笑顔で話す小野さん。新しい命の誕生を一緒に喜んでくれる人たちへ贈りたい逸品だ。【東京ウォーカー】