2015年11月にオープンしたホステル、BOOK AND BED TOKYO(豊島区池袋)。“泊まれる本屋”という斬新なコンセプトが話題を呼び、いまもなお予約が殺到する人気ぶりだ。
読書をしながら、メールをしながら…好きなことをしているうちにうっかり「寝落ち」する瞬間は、誰にとっても至福のとき。そんな瞬間の“幸せ”にアプローチするべく開店したのがBOOK AND BED TOKYOだ。本以外、余計な装飾がない空間で最高の“寝落ち体験”ができるとあって、都内に住む人や海外旅行者まで、幅広い層から注目を集めている。
そこで今回、動画ファッションマガジン「C CHANNEL」でクリッパー(投稿者)として活躍する石田美奈子さんがBOOK AND BED TOKYOの“至福の寝落ち”空間を徹底レポート!
もともと読書好きだが、最近は本に触れる機会も少ないという石田さん。「本屋に泊まれるなんて斬新!詳細をしっかりレポートします」と気合い十分!
場所は池袋駅西口から徒歩約1分。ビルの7階でエレベーターを降りると目の前にエントランスが登場し、しんと静まり返った非日常的な雰囲気が漂う。左手を見ると、「BOOK AND BED TOKYO」の文字を発見。「なんだか隠れ家に来た気分」と石田さん。
さっそくチェックインするべく、クロークの呼び鈴を押す。「中はどんな雰囲気なのか想像がつかない!」と石田さんの期待も高まる。
すると小窓が開き、中から人の陰が。同ホステルはWEBサイトで予約し、クロークで名前を伝えて手続きを行う。帳簿に名前などを記入したら、カードと扉のパスワードを教えてくれる仕組みだ。チェックインは16時、チェックアウトは11時と、ゆっくりと滞在できるのも嬉しいところ。
手続きを終え、カードを受け取る。「秘密基地みたい」と石田さんもワクワク顔。
教えてもらった暗証番号を押し、いざ中へ!扉を開けると、一面に本棚が広がる。ここがBOOK AND BED TOKYOのシンボルスペースとなっており、本棚の中に12床の部屋が埋め込まれている。同ホステルでは本棚の中の「BOOKSHELF」に、より集中して“泊まれる本屋”を体験できる「BUNK」(18床)の2エリアで構成。部屋は「STANDARD」(4860円~)と少し小さめの「COMPACT」(3780円~)の2つのタイプを用意。
今回、石田さんが体験するのは「STANDARD」タイプの部屋。 鍵付きのロッカーに電源、ブックライトが完備されている。さらには無料のWi-Fiも使い放題というのも嬉しい!「ハンガーもあるんですね。上着がシワになるかなって少し不安だったんです。中も明るくて、どっぷり読書タイムに浸れそう!」と石田さん。広報の力丸さんによれば「友人の家でリラックスしているような心地よさを体感してもらえたら」と、ウッディな内装に暖色の明かりをチョイスしたそう。
荷物を置いたら、本を選びにGO!「小説から漫画、洋書まで、見たことのない本もたくさん!」と、石田さんは本の数に圧倒される。ここに並ぶ約1700冊の本は、本のセレクトショップ、SHIBUYA PUBLISHING &BOOKSELLERS(SPBS)による選書。旅や食に関する本の他、絵本やビジネス書まで、多彩なジャンルがそろう。
「たくさんありすぎて迷っちゃう」と、次々に本を手に取る石田さん。“泊まれる本屋”というコンセプトのなかには、“普段読まないジャンルや、本に触れる機会が少ない人への入り口になれば”という思いも込められている。
さて、石田さんが迷いに迷ってチョイスしたのは漫画「寄生獣」!予想外な選書に戸惑う記者をよそに、「懐かしい!今日はゆったりと全部読んじゃいます」と満面の笑顔。
選んだ1冊を手に、いよいよ部屋の中へ。「すでに寝落ちしそう!見た目よりも広々としていて、足もしっかりのばせます」と、早くも読書の姿勢に。
「明かりが柔らかくて、室内も暖かいのでついついリラックスしすぎました(笑)。周りも静かで、自分の世界にどっぷり浸れますね」。
読書を楽しんだあとは、洗面所エリアに潜入。ここには24時間利用可能な3つの共同シャワーとトイレ、5つの洗面台があり、ドライヤーの無料貸し出しも行っている(24時〜7時以外)。「洗面所もおしゃれ!海外のホテルみたい」。
共有スペースの天井には、本のディスプレイも。「まるで絵本の世界」と石田さんが話す通り、時間が止まったかのような洒落た演出だ。本の世界に浸りながら「次は何を読もうかな」と早くも2冊目を物色!
次に石田さんが選んだのは海外のアート本。「普段手にしないような本も、この空間にいると興味が湧いてきます。海外のガイドブックを眺めながら、旅の計画を妄想しながらゴロゴロするのもいいかも」と、共有のロビースペースでゆったり。
すると「コーヒーマシンがある!」と石田さん。BOOK AND BED TOKYOでは常設のコーヒーマシン(1杯・税別150円)やポットを自由に使え、共有スペースでの利用に限り、パンなどの軽食やドリンクも持ち込み可能。石田さんも「お菓子を持ち寄って、“読書女子会”なんかいいかも」と早くも新たな楽しみ方を思いついた様子だ。
コーヒーを淹れたら、日射しが気持ちいい窓側へ。テーマカラーである青い大きなソファがあるスペースも共有部分。「部屋だけでなく、ここでも充分リラックスできちゃいますね」。
存分に堪能した石田さんいわく「想像していたよりおしゃれで驚きました!部屋も手足がゆったり伸ばせる広さで、居心地抜群。プライベートカーテンもついているので安心です」と満足げ。「女子1人でもフラッと来られる雰囲気ですね。本のジャンルもたくさんあって、友達と読書会をするのも楽しそう。ちょっと1人になりたい時の居場所としてもいいかな」と、満喫したようだ。
「自分の部屋がもう1つできたみたい」と石田さんが言う通り、BOOK AND BED TOKYOの宿泊者は3分の1が都内に住む人なのだそう。読書の場というだけでなく、自宅でも職場でもないサードプレイスとしての需要も高まっている。現在、「BOOKSHELF」エリアは約2ヶ月先まで予約がいっぱいで、「BUNK」エリアも問い合わせが殺到しているのだとか。“泊まれる本屋”で、ぜひ極上の寝落ちを体感してほしい!【東京ウォーカー/取材・文=金城和子】