8年ぶりにフルモデルチェンジし、2月19日から発売を開始したアウディのミドルサイズセダン「Audi A4」。注目度の高いこのモデルを、白百合女子大学ミスコン2014グランプリを獲得、現在キャンパスクイーンとして活躍する榊原莉奈さんが試乗体験した。女子大生の目に、Audi A4は、どのようなクルマに映るのだろうか。
ライトサイジング化により運動性能が向上
9世代目となる今回のAudi A4は、前作に比べ高強度でありながら約120kg軽量化した車体に、「ライトサイジング」をコンセプトとする高効率かつハイパワーなエンジンを組み合わせることで、運動性能と環境性能を向上を達成。さらに、静粛性や乗り心地などの快適性能も向上させて、より一層プレミアムなセダンへと進化した。
さらに予防安全技術「アウディプレセンス」の最新世代を投入。複数のセンサーやカメラの情報をもとに、事故の危険性を予見し、様々な形でドライバーをサポートする。その技術を応用し、渋滞時において、前走車の動きに追従し、アクセルやブレーキの他、ハンドル操作までも行う「トラフィックジャムアシスト」も搭載する。便利な機能であると同時に、いよいよ自動運転時代の到来を予感させる。
ラインアップは、前輪駆動モデルと路面状況に合わせて前後のトルク配分を可変するフルタイム四輪駆動(quattro)モデルの2車種を用意。それぞれに、スポーティーな味付けがなされた足回りと、一層シャープに引き立つ外装パーツとしたsportsモデルが加わり、4モデル展開となる。現在はセダンタイプのみだが、今後ワゴンタイプも上陸する予定だ。
実家のクルマを運転するだけでなく、レンタカーを借りてサークルの友人たちとドライブする事もあるという榊原さん。しかし今まで触れる機会はなく、今回の試乗が初めてのアウディ体験とのこと。試乗前にアウディのイメージを尋ねてみると「なんとなくですが、エリートが乗っているクルマという印象が強いです」とのこと。そして「彼がアウディで迎えに来たら絶対嬉しい!」そうだ。
すごくカッチリしている。上り坂が楽しい!
今回の試乗は、Audi A4 2.0 TFSI(518万円)と、Audi A4 2.0 TFSI quattro sports(624万円)の2車種。ここでは後者をレポートする。
Audi A4 2.0 TFSI quattro sportsに搭載する2リッター直列4気筒ターボエンジンは、252馬力と強心臓。、前作に比べて41馬力の向上を達成しながら14%の燃費を改善している。型番の通り、同社伝統ともいうべき4輪駆動システムを搭載し、さらにスポーツサスペンションを備えるなど、もっともアウディ・スポーツの色が濃い仕上がりとなっている。
この濃さは内外装にも表れており、sportsモデルでは、特徴的なフロントグリルにクローム加飾が施され、車内にはヘアライン加工がされたアルミパネルが奢られるなど、金属パーツが多様され、ややスパルタンな印象に変わる。とはいえ、嫌味にならず上品に仕上げられているのは流石アウディといったところ。
試乗車は、さらにS Lineパッケージと呼ぶ、より一層スポーツ色を高めた専用シートやハンドル、アルミホイール、バンパーなどのオプションが装着され、その個性は一層際立たせていた。ボディ色はS Lineパッケージのみ用意されているデイトナグレー パールエフェクト。精悍かつ上品な一台であった。
試乗会場の駐車場に並ぶA4を見た榊原さんは「カッコいい!」と連呼。スポーティーな外観は乙女心をガッチリつかんだようだ。
運転席に座った榊原さんは、シフトレバーなどを操作系を確かめながら「なんか身が引き締まる気がします。全体的にカチッとしていますね。外観同様、内装がとてもカッコいいです」と気に入った様子。走り始めると、エンジンパワーがあるためか、微妙なアクセル加減に当初は戸惑っていたようだ。また、輸入車の常である、ウィンカーとワイパーのレバー位置が国産車とは逆位置のため、回頭時にワイパーを作動させてしまったのはご愛嬌。
一般道に出て本格的に走り始めると、クルマはまるで意思をもっているかのように、前へ前へと進む。スポーティーモデルというと、足回りが硬く同乗者が不快な思いをする場合があるが、このモデルの場合、硬さは感じるものの不快になることはない。「クルマの動き、操作感に適度な重量感というか、手応えを感じます。すごくカッチリしていて、さすが高級車という印象です。曲がりくねった上り坂を走っている時は“本領発揮”という感じで、とても楽しいです」と、時には真剣に、でも笑顔でドライビングを楽しまれていた。
昨年登場した同社のスポーツモデル「Audi TT」で初めて採用した、計器類やナビゲーション、インフォテインメントをメーターパネルの液晶ディスプレイに表示する「アウディバーチャルコクピット」をオプションで用意したのも、アウディA4のトピックの一つ。この機能に「すごく便利!表示がカッコいいですし、ナビを見たい時、視点の移動が少ないから、とても運転しやすいです。初めての道でも不安なく走れます」と高評価。
運転席だけでなく、後部座席にも座って頂いた。「足元に余裕がありますし、座り心地がとてもいいです。それにリアシート用のエアコン吹き出し口があって、夏や冬は絶対に嬉しいですね」と、こちらも好印象。大柄の男性が座っても苦痛を感じることは少ないだろう。
約2時間ほどAudi A4 2.0 TFSI Quattro Sportsを堪能したした榊原さん。初めてのアウディ体験が、もっともスポーツテイストの濃いAudi A4であったが、ベースのモデルではどのように感じるだろうか。後編をお楽しみに。【東京ウォーカー】