野田秀樹が2年半ぶりに書き下ろした最新作「逆鱗」。
物語は、昔々の昔々の昔々のその昔。沈没船の窓越しに人間と出会った人魚。その人魚が人間のふりをして地上へ。そして現れたその場所は、“人魚ショー”を開催中の海中水族館…。松たか子、瑛太、井上真央、阿部サダヲ、初参加の満島真之介ら最強のキャストで贈る野田版・人魚伝説。「逆鱗」は、東京で幕を開け連日満員御礼の人気で3/13(日)まで上演、その後いよいよ大阪へ上陸する。前売り券は既に完売、当日券に期待を!
「逆鱗」の稽古を控えた昨年末、ウーマンリブ「七年ぶりの恋人」大阪公演の出演を終えたばかりの阿部サダヲを取材。「透明人間の蒸気」以来12年ぶり、関西では1998年の「ローリング・ストーン」以来18年ぶりとなる野田作品への出演だ。インタビューは野田作品や舞台についてだったが、話題は、そのシャイな素顔から大阪のカレーにまで広がった。
Q:大阪公演は、野田作品に初めて参加された時以来となります。
最初、野田さんの「ローリング・ストーン」に出た時は、八嶋智人くんとか僕たちがみんなまだ若くて、誰にも知られてないくらいの時に、オーディションを受けて出させてもらって。野田さんの舞台に出ると、みんなすごく仲良くなるんです。
その頃からは変わりましたよね、随分。あの時、野田さんが「サダヲんちを見たい」って、見に来たことがあったんですが「こんなとこ住んでんのか、お前!・・・頑張れ!」って言ってくれましたね(笑)。驚いて帰って行きました(笑)。
Q:2004年の「透明人間の蒸気」の後、野田さんとは?
僕がNODA・MAPを観に行った時は、一緒にご飯食べに行ったりしてるので。忘れられてなかったんだなって(笑)。でも、なかなかNODA・MAPに出る機会がなかったですからね。12年ぶりですもんね。
Q:どんなふうにカンパニーになじんでいくんですか?
智人みたいな人がいるとすごく楽ですね。話しかけてくるじゃないですか、何も言わなくても。あぁいう人がいれば大丈夫です。
Q:今回は?
(池田)成志さんに任せます、すべてを(笑)。随分楽です、成志さんがいるってことで。瑛太くん、松さん、井上真央ちゃん…今回、舞台で共演するのは初めてなので楽しみです。映像とかではけっこう一緒にやってるので、話すことはできるんですけどね。ただ、自分から率先して「今日、どこ行こう」とか、そういうのは全部、成志さんに任せます。特に大阪は(笑)。
Q:舞台に立つと大丈夫なんですね?
全然、楽です。つまり役をもらえれば、その役に入っちゃえば、大丈夫なんですけど。自分の言葉でしゃべるって言うのが、得意じゃないんですよね。でも、取材とか受けることが随分多くなったから、しゃべるようになりました、僕も(笑)。
Q:映像と舞台って、どうですか?
舞台の方が楽ですね。始まりが舞台なので、僕。で、台本とか出来上がった状態で稽古が始まるから、それはすごく楽です。映像だと、放映は随分先のことで、撮影で一緒にならない人がどういう芝居してるかもわからないですし。あと、連ドラとかだと先の話がわからないこともあるから、芝居の仕方が難しいです。
Q:舞台や映像での役柄イメージと素顔にギャップがありますが、どちらも自分?
いや、自分はこっちが自分です。開放的な人間じゃないです、素の部分は。ずうっとあのテンションでやってたら疲れちゃいそうだから、ヤダなと思って(笑)。でも、弾けてる役をやってる時も楽しいですけど、ただ、あれは自分じゃないです。だから、たまに、街ですれ違った人がビックリするみたいです。「全然大人しいじゃないか」みたいな。そういうイメージがやっぱりあるんですね。普段はおとなしいっていうことを少しずつ広めてほしいです。
VOL.2(http://news.walkerplus.com/article/73865/)へ続く
■STAGE シアターBRAVA!10周年記念シリーズNODA・MAP 第20回公演「逆鱗」
日時:3/18(金)~27(日)
会場:シアターBRAVA!
作・演出・出演:野田秀樹
出演:松たか子 瑛太 井上真央 阿部サダヲ 池田成志 満島真之介 銀粉蝶
料金:¥9,800(全席指定・前売り完売・当日券のみ)
取材・文=高橋晴代、撮影=西木義和