浮世絵って超クール!話題の「くにくに展」に行ってきた

東京ウォーカー(全国版)

Bunkamuraザ・ミュージアムでは、3月19日(土)より「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」を開催中。

世界でも圧倒的な点数の浮世絵を所蔵するボストン美術館のコレクションの中から、幕末の人気絵師・歌川国芳(1797~1861)と歌川国貞(1786~1864)の作品170点(約350枚)を展示。同館が開館して以来、最大規模の出展数ということもあり、話題を呼んでいる。

着物に描かれているドクロをよく見ると…ネコ!歌側国芳「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」William Sturgis Bigelow Collection, 11.28900 Photograph © 2016 Museum of Fine Arts, Boston


浮世絵は江戸の人々にとって、現代で言うところの雑誌やポスター、ブロマイドくらい生活に馴染んだ存在だったという。本展では、私たち現代人にとっても身近な存在に感じられるよう、それぞれ歌舞伎の演目になぞらえて各章タイトルを構成、同時に現代風でポップなルビを振って作品を紹介している。例えば「髑髏彫物伊達男」には「スカル&タトゥー・クールガイ」という、マンガやライトノベルさながらのルビが振られており、また、モデルの男性の着物に注目してみると、200年以上経った現代でも人気のスカルが描かれていたり、さらによく見てみると、そのスカルはたくさんのネコで型どられていたりと、江戸時代の物とは思えない、親近感の湧く作品が多く並んでいるのだ。

【写真を見る】手紙の差出人は…?歌川国定「当世三十弐相 よくうれ相」Nellie Parney Carter Collection―Bequest of Nellie Parney Carter, 34.489 Photograph © 2016 Museum of Fine Arts, Boston


「エドガールズ・コレクション」とルビを振られた「今様江戸女子姿」ではネコと戯れたり、化粧をしてお出かけの準備をする女性など、江戸に生きる人々のさりげない日常を垣間見ることができる。特に本展のポスターにも起用されている「当世三十弐相 よくうれ相」には「江戸時代から手紙(メール)好き」というキャッチコピーが添えられており、熱心に手紙を読む女性の姿は、スマホで好きな人からのメッセージを読む、現代の女性に重なって見えたりもする。作中に登場する着物やかんざしなど、小物も艶やか。センスが光るおしゃれアイテムにも注目だ。

本イベントの担当者に、来場者に向けたメッセージを聞いたところ「新聞やテレビ、雑誌、インターネットなど沢山の情報に溢れ、それほど物事に感動しない人にこそ来てほしい。制限された技術の中で表現された江戸の大衆芸術は、決して堅苦しいものではなく、今見ても楽しめる最高の娯楽です」とのこと。

今回展示される作品は、一度貸し出されると、ボストン美術館の規定によって5年間は公開されなくなるという。これだけ貴重な浮世絵を一度に閲覧できるのは今回限り!?“くにくに”を知れば、もっと日本のことが好きになるはず。【東京ウォーカー】

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