3月16日(水)から28日(月)まで、阪急うめだ本店9階の阪急うめだギャラリーで「アートたけし展」が開催中。
コメディアンとして、あるいは映画監督・北野武としてマルチな才能を発揮するビートたけしが描いた絵画や版画、コラージュなどを展示する展覧会。もとはたけしの「おいらの絵とか並べて展示とかしてみたら、見て喜んでもらえたりするのかなぁ」という発案で、開かれることになったこの個展。関西初公開の作品が並ぶ。
作品はさまざまな人物を描いた「ヘンな人たち」、絵を三次元で表現した「立体調査」、たけし自らが彫って刷った「たけしの版画」など全部で100点。いずれもタイトルはなし。難しいメッセージも、目的もなく描かれたものだが、それだけにその時々のたけしの内面を写したものということもできる。
作品はピカソのキュビズムやマティスのフォービズムなどの影響を受け、色遣いは奔放で鮮やか。特に映画でも高評価を得ている「北野ブルー」が多用されていて美しい。その表現は時には天真らんまんだったり、ちょっとエッチだったり、ユーモアにあふれていたりいたり、見ているだけで楽しくなる。
その楽しみを倍増してくれるのが音声ガイド。たけしと長年共演している阿川佐和子、大竹まこと、江口ともみの3人によるトークに加え、山田五郎による美術解説もあり、聞いているだけで笑えてためになるというお得なガイドだ。
会場にはヴェネチア国際映画祭で受賞した金獅子や銀獅子、フランスの芸術文化勲章シュバリエとコマンドールも展示。世界のキタノと称される人物と、展示された絵を対比するのも興味深い。期間はわずか13日間。急ごう。
【取材・文=関西ウォーカー編集部 鳴川和代】