バーベキューといえば、河原でワイワイするイメージが強いが、なんと東京・大塚に“バーベキュー専門店”ができたという。しかも、日本バーベキュー協会が認定した「バーベキューインストラクター」が、実際に手ほどきをしてくれるというのだ。
気になる記者はさっそくバーベキュー専門店「楽屋(らくや)」へ。一見、普通の焼肉屋さんと変わらないようにも見えるけど…。そもそも、どの辺がバーベキュー専門店なの?
「皆さんが思っているバーベキューは、アメリカンな本場のバーベキューとはちょっと違うんですよ」とは、広報でインストラクターの免許も持つ大橋さん。たしかに、スタッフがテンガロンハットを被っていて、雰囲気はちょっとアメリカンだけど…。
「よく混同されるんですが、焼肉とバーベキューでは、火力が全然違います。焼肉は強火で一気に焼きますが、バーベキューは弱めの炭火と、スモークチップで、じっくり焼いていきます。だから、時間はかかるものの、焦げることなく旨みを閉じ込められるんですね」(大橋さん)
加えて、“フタ”の有無も重要だと大橋さんは言う。「日本ではなかなか見かけませんが、アメリカのバーベキューグリルにはフタがついているんです。スモークチップの香りなどを逃さないようにするためなんですが、当店でも、特注でフタを用意していますよ」
弱めの炭火と、スモークできるフタでじっくり焼いていく“本場バーベキュー”。そこまで言われると、待ちきれない記者は、さっそく作ってもらうことに。すると突然、目の前のインストラクターさんが、「ミシシッピ、ミシシッピ…」と呪文のように唱え始めたではないか。な、何事…?
「これは、『ミシシッピテスト』といって、有名な温度の測り方です。炭に手の平をかざし、『ミシシッピ』と何回言えるかで、炭の熱さを測るんです。ちなみに、“2ミシシッピ”が約200℃、“10ミシシッピ”が約100℃です」(インストラクター・木村さん)
たしかにこれをやられるだけで“アウトドア感”が増すから不思議だ。「そろそろ大丈夫ですよ」と、出されたお肉にかぶりついてびっくり! ちょっとレア感も残る食感と、スモークの香りが加わって、焼肉とは全然違う風味なのだ。「焼くお肉や、野菜によって、火力も調整するんです」という、木村さんの言葉通り、意外に繊細な料理なのがよく分かる。なんでも、約200℃の強火から、約100度の弱火まで、炭の量で様々な温度を使い分けるのだとか。
なるほど。今まで私たちは強火にしすぎてたんですね。意外に知らないバーベキューの“やり方”をイチから学べる「楽屋」。屋内で、じっくりバーベキュー道を教えてくれるので、夏に向け足を運んでおきたい一店だ。 【東京ウォーカー】