神戸が舞台の朝ドラ「べっぴんさん」主な出演者が決定

関西ウォーカー

5月16日、大阪市中央区のNHK大阪放送局で平成28年度後期連続テレビ小説「べっぴんさん」の主な出演者が発表された。

物語は神戸の山の手の裕福な家に生まれた手芸が大好きな女の子・坂東すみれが主人公。19歳で結婚し、娘をもうけるものの、戦争で環境が一変。夫は出征し、戦後は財産が没収され困窮したすみれが、生活のために子供服作りをはじめ、成長していく姿を描く。

ヒロインの坂東すみれはすでに芳根京子が演じることが発表されているが、今回はヒロインを支える坂東家や、坂東家が経営する繊維会社「坂東営業部」の人々、さらにすみれと共に子供服の会社を興す創設メンバーが発表された。

すみれの父・坂東五十八(いそや)役には生瀬勝久。「京子ちゃんはまだ未成年。虫が付かないように、放送が終わるまで僕が守っていきます。何かあったら僕を通して話してください」と、父親の顔を見せた。すみれの母・坂東はなを演じる菅野美穂は1995年後期の大阪放送局製作「走らんか!」に出演した。「約20年の時の長さにくらくらしていますが、こちらにいる皆さんにとってかけがえのない作品になると思う」と語る。菅野美穂は全編にわたって語りも担当、母親の視点でヒロインを温かく見守る。

ヒロインの祖母・坂東トク子には中村玉緒。76歳になる中村玉緒は「ヒロインの祖母ということで、自分の年ぐらいで演じられるのが一番気持ちが楽。でも、昔は長いセリフがあると、これをどう演じるかを考えていたが、今は『長いセリフはないかいな』と、まずそれを探す。ヒロインのすみれさんやら、登場人物の名前すらわからんようになってしまうことも」と、ジョークを交えてベテランの余裕を見せた。

さらに、すみれの姉・ゆりには連佛美沙子、坂東営業部の番頭役・野上正蔵にはネプチューンの名倉潤、その息子でヒロインを生涯にわたって支える野上潔を高良健吾が演じる。名倉は「今回、日本人の役でよかった。まさか僕が日本人の役で朝ドラに出られるとは思わなかった」と会場の笑いを誘った。

また、ヒロインの会社創設メンバーで、女学生時代の同級生の小野明美役を谷村美月、田坂君枝を土村芳(かほ)に加え、多田良子役にはアイドルグループ・ももいろクローバーZの百田夏菜子が起用された。百田は「今私がここにいることがすごく不思議。たくさんの方と一緒に、見てくださる方が毎朝楽しみに起きられるようなドラマになるよう精いっぱい頑張っていきます」と意欲を見せる。

その他、発表には同席しなかったが、すみれにモノづくりについて伝えていく神戸の靴店「あさや」の麻田茂男を市村正親が演じる。

制作統括の三鬼一希氏は「今でいうママ友が集まって始めたモノづくりが70年前から今も続いているのはなぜだろう。それはただ売りたいだけでなく、彼女たちのモノづくりへの思いなどが隠されているのではないか。ドラマとしてそういう点で共感してもらえるものがあるのではないか。モノづくり、気持ちの部分を大事にしながら、史実はかなりドラマタイズしている」と、ドラマ作りについて語る。

すでにヒロインらは裁縫や神戸弁の特訓で大阪入りしているが、収録は5月下旬の兵庫県内のロケでスタートを予定している。

【取材・文=関西ウォーカー編集部 鳴川和代】

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