愛犬や愛猫にいつまでも健康でいてほしいと思うなら、適正体重の維持が大切。
しかし、ダイエットの方法を間違えると命にかかわることもある。そこで、アニマルクリニックでリハビリを担当する獣医師に、正しいダイエットと健康について聞いた。
以下、わんにゃんウォーカー6月号 特集「犬猫の正しいダイエット」より抜粋。
【肥満のリスク】
●肥満で関節を痛めると生活の質が下がってしまう
「犬でも猫でも、肥満で一番問題になるのが関節。重い体重を支えるため、膝関節の軟骨が圧迫され、すり減ってしまうのです。さらに症状が悪化すると、骨同士がぶつかって骨関節症を発症してしまいます。踏ん張ったり、蹴り出す時に痛いため、犬なら“歩き方がおかしい”“階段を躊躇する”“車に飛び乗らなくなった”、猫なら“うずくまっている”“高い場所に上らなくなった”などで気付きます」
●肥満が原因の糖尿病は体重コントロールが有効
「猫の糖尿病はなかなか症状が出ず静かに進行するため、診断が難しい病気です。飼い主さんでさえ気付かず、重篤になってしまうことがあります。そんな糖尿病のうち約半分がインスリンを必要としないタイプで、原因は肥満。この場合、獣医師による食事療法を取り入れてダイエットすることで、コントロールします」
【正しいダイエット食事編】
●目標体重を決め、減量食で体重を落とす
「体重減少の目安は週に1~2%、月に4~8%。そこから目標体重を決め、時間をかけて少しずつ体重を落とします。動物病院では体重を減らすことを目的とした“減量食”を処方してくれます。減量食は通常のフードと比べて繊維質が多いため、便の回数が増えるうえにパサパサで硬くなります。そのため長続きせず、途中でやめてしまう飼い主さんがいますが、肥満は病気ですから続けましょう。減量食を食べてくれない場合は、ふりかけのトッピングがおすすめですが、トッピングにもカロリーや脂肪分があるため必ず獣医師に相談してください」
●おやつはフードで代用し、成分にも配慮する
「どうしてもおやつをあげたくなったら、フードで代用しましょう。ただし、1日の総カロリーを変えないように、必ず食事量を減らして調整をしなければなりません。動物病院では、減量している犬や猫用のLカルニチン入りおやつを販売しています。Lカルニチンは脂肪を代謝させる成分。ダイエットするほどではないけど、ちょっと気になるという場合は、この成分が入っているフードやおやつを選ぶのがおすすめです」
【正しいダイエット運動編】
●フードの置き場を工夫して食べながら運動させる
「通常、フードは1つのフードボウルに入れて与えます。しかし、いくつかに分けて部屋の隅々に置けば、探し回ることで、自然と歩くようになるでしょう。特に、普段あまり動かない猫には有効な方法です。また、関節を痛めていないようなら、机やたんすの上など、高い場所も利用しましょう。ダイエットには、ちょっとした運動の積み重ねが大切なのです」
●砂の上を歩かせれば消費カロリーが上がる
「足場が不安定な砂の上は、体を支えようとするため、筋肉への負荷が増し、カロリーも消費します。筋肉を鍛えることになるので、基礎代謝も上がるでしょう。アスファルトなどに比べると柔らかいので、関節への負担は軽減されます。愛犬と海にドライブし、砂浜を歩くのもいいでしょう」
犬猫のダイエットについて、さらに詳しく知りたい人は「わんにゃんウォーカー6月号」をチェック!肥満の原因、適正体重のチェック法から、ダイエットに役立つ施設の紹介まで、今すぐ役立つ情報が満載。愛犬・愛猫の健康管理に役立てよう。【東京ウォーカー】