関東学院大学×横浜ウォーカーのコラボイベントとして開催されている特別公開講座「横浜学」。6月19日、第19回となる講義が開催された。テーマは「横浜と学校」。
最初に登壇したのは立教大学文学部教育学科教授であり、同大学野球部の部長でもある前田一男先生。横浜市の教育史の特徴を地域史・学校史・人物史の3つの視点から浮き彫りにし、解説してくれた。1882(明治15)年に「横浜商法学校」として設立された「Y校(横浜商業高校)」は、開港の地・横浜における近代的商業教育のシンボルとも言える存在だったという。さらに、ミッションスクールの台頭や中学校・高等女学校の設置、実業教育を掲げる高等教育が”横浜の教育”を発展させていったと説明した。次に登壇したのは旧関東学院女子短期大学元学長、捜真学院前理事長の小玉敏子先生。フェリス女学院や横浜共立学園、横浜英和学院などのミッションスクールの歴史について、貴重な写真と共に振り返った。それぞれ異なる教派、異なる経緯で設立されたミッションスクールであったが、日本の女子教育に貢献するという同じ志を持ち、横浜の女子教育の中で非常に大きな役割を担ったと語ってくれた。最後は横浜市教育委員会事務局教育次長の小林力先生が登壇。魅力ある高校教育を目指して現在も挑戦を続ける「横浜市立高校」の特徴を紹介してくれた。全市立高校で行っている「次代を担うグローバル人材の育成」や、各高校が取り組む「特色のある高校づくり」について詳しく解説。従来の市立高校のイメージを覆すバラエティ豊かな教育方針に会場から感嘆の声があがった。
明治から戦前にかけての学校史から、現在の市立学校の取り組みまでを三者三様に紹介した今回の講座。横浜市の未来にも関わる“教育の在り方”について、あらためて目を向けるきっかけとなった。
次回は「横浜とスポーツ」をテーマに、8月21日(日)に開催の予定だ。【横浜ウォーカー】