2016年7月1日(金)よりスタートした、アパリゾート上越妙高(新潟県妙高市)のサマーイルミネーション「アパリゾート上越妙高イルミネーション2016 Myoko Happiness Illumination〜幸福を呼ぶ光の双龍〜」。延べ20万8000人を動員した昨年に続き、3回目となる本年度は多数の新エリア&新演出が登場。今回は本イルミネーションのプロデュースを手がけ、さまざまな世界初&日本初の試みを仕掛ける夜景評論家の丸々もとお氏に話を聞いた。
史上初へのこだわり
――昨年は延べ20万8000人を動員し「LEDライトで作った最大のイメージ」としてギネス世界記録に認定されたことでも注目を集めましたが、本年度の目標は?
「昨年は初年度の約10万人から倍増し、うれしい限りでした。それに続き、今年は26〜27万人の動員が目標。構想当初から4年目30万人を目標として計画していたので、来年につながる形になればと思っています。エリアや球数も拡大しましたし、よりたくさんの方にお越しいただきたいですね」
――エリアは約4万平方メートルに拡大、球数も160万球に増量しました。内容もさらに充実したものとなっていますが、製作にはどのくらいの時間を費やしているのでしょうか
「マーケティングを含め、企画を立ててから契約するまでに半年。イルミネーションの製作は2ヶ月半でできるので、実は計画期間のほうが長いんですよ」
――企画と契約交渉が約半分を占めているんですね
「企画やマーケティングの準備段階が一番大変。今回はゴルフ場を活用した回遊式ということで、巡りながら起承転結を含めた楽しさを感じられるように企画を練りました。きちんと物語の流れになっているかどうか、フォトジェニック(写真映えする)か、ちゃんと迷わずに巡れるか、また、屋外なので落雷や動物被害対策について考えるのもプロデューサーの仕事のひとつです」
――丸々さんがプロデュースされることで、強みになっている部分は?
「全国でプロデュースを行っているので、各地の情報を持っていることですね。全国の状況や数字など、リアルな情報が入手できる。それに基づきどんなブームが作れるかを予想して、きちんとデータで裏付けしてから企画を説明しています」
――プロデュースするうえでのこだわりを教えてください
「いままでにないもの、というのが大前提。そのぶん苦労は大きいですが、そこから本能的に感動するようなものを作る、というのはこだわりです。イルミネーションは写真で伝えるほうが瞬間的なインパクトがあるので、実際に写真を撮ってみて、フォトジェニックであるかどうかも意識しています。両親が絵描きの美術一家で育ったので、“額縁を通して見る=感動に繋げて行く”ということを本能的に重視しているところがあるんです。イルミネーションも一緒で、額縁に入れて撮りたいというポイントをどれだけつくれるかが重要。そしてその土地でしかできない、という価値ですね」
その土地ならではのストーリーを込める
――今回のイルミネーションは「双龍」が主役ですね
「上越市は戦国武将・上杉謙信ゆかりの地であることから、勝利を願って身につけた伝説がある龍が描かれた羅紗(上着)にちなんで双龍をテーマにしました。その土地ゆかりの話をベースにすることで、そこに行く理由付けをするのがプロデュースの基本。史実を細かく調べ、そこならではの特徴や魅力をストーリーにしていく。過去に光をあてて、現代の人を導くことが仕事だと思っています」
――全体のストーリーはどういったものなのでしょうか
「“双龍に思いを願い、天に届けてもらう”というコンセプトのもと、卵から龍が生まれ、やがて双龍として成長していくストーリーを手前から奥にかけて描いています」
――各所に龍と関連する仕掛けも施されていますよね
「今年はエリアを拡大したこともあり、新エリアに続く『龍魂ノ径(みち)』をはじめ、道中も飽きずに楽しめる工夫をしています。エリアや道に設置した行灯ひとつにも、ストーリーに関連する意味を持たせていますね。また、各所の音楽も物語の世界にいざなう重要な部分なので、演出や仕組みを伝え、すべて作曲家に書き下ろしてもらいました。ここまでこだわるイルミネーションはなかなか珍しいのではないでしょうか」
――中でも注目のエリアは?
「やはり、今年新たな演出で再登場したギネス世界記録認定の『光の双龍』は見どころ。光の地上絵を描くには技術が必要で、この規模で全体をプログラミングしたショーは他ではできないと思います。序盤にある『龍の巣窟』の立体音響システムや、世界初のダブルプロジェクションマッピング『風神〜起承編』『雷神〜転結編』、世界初の有機ELオブジェを設置した『天空の花畑』も注目です」
――3回目となる今年は世界初づくしでしたが、来年のビジョンを聞かせてください
「4年でひとつの物語として考えているので、来年はストーリーが一旦完結するような新演出を考えています。完結編として、よりおもしろい内容になるよう日本初や世界初のものをやりたいな、と。それと同時に新たなギネス世界記録の樹立も目指します」
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