8月9日、NMB48劇場。約6年間、山本彩とともにNMB48の人気を牽引し続けてきた、”みるきー”こと、渡辺美優紀の卒業公演が行われた。
みるきーが所属するNMB48・チームB2の<逆上がり公演>の最初のMC。
彼女にとってはラストシングルで、単独センターを務めた『僕はいない』が、オリコンウィークリーランキングで初登場第1位に輝いたことが発表されると、みるきーは「ホッとしています。これからもNMB48の応援をよろしくお願いします!」と、安堵の表情を浮かべた。その後、ユニット曲コーナーなどを挟み、渡辺美優紀に相談コーナーへ。
偉大な先輩、みるきーに相談しておきたいことは、たくさんあるはず。しかし、渋谷凪咲は「私のこと、どう思いますか?」。いや、それは相談ちゃうやん!内木志も「前に約束したパンケーキ(のお店に)、連れて行って下さい!」。いや、それもお願いやん!「そういうことは後で裏で話してくれるかな?」という木下春奈のナイスツッコミで、場内は爆笑に包まれた。
ファンへの感謝の思いを綴った『ファンレター』で本編は終了。アンコールでは、『僕はいない』を披露!みるきーがセンターのパフォーマンスもこれで見納めとなった。
「ミルクと美優紀をまぜるだけ。あっという間に、みるきー!奈良県出身の渡辺美優紀です!」。そんなおなじみの自己紹介のキャッチフレーズを聞けるのも今日で最後なのだが、彼女が卒業するという実感がなかなか湧いてこない。それはみるきー自身も同じだった。
「いまだに不思議で、ちゃんと実感できていないんです。淋しいとか、一言では言い表せられないというか…。劇場公演って、本当に落ち着く場だし、すごく楽しい。」
そう語ったみるきーに対して、後輩でチームB2キャプテンの上枝恵美加も続ける。
「私たちも実感があるのかないのかわからないです。3年ぐらいこのチームでやらせていただいているんですけど、みるきーさんと一緒の時間を過ごすことが出来て、淋しい気持ちを通り越して、嬉しい気持ちが強いかなと思います。みるきーさんが卒業しても、もっともっと前に進んでいけるように、そして卒業したみるきーさんが幸せになれるように、最後の曲を歌わせていただきたいと思います。」16人のメンバーそれぞれが思いを込めて歌う『To be continued』。市川美織、薮下柊の瞳からは涙が溢れ出ていた。
全員が一旦ステージからハケて、みるきーの歴史を振り返るVTRが流れた後、一人で登場したみるきーは、卒業ソロ曲『夢の名残り』を、しっとりと歌い上げる。更に、沖田彩華・川上礼奈・岸野里香・木下春奈・木下百花・上西恵・白間美瑠・山口夕輝・山本彩・吉田朱里の1期生メンバー全員が加わり、『卒業旅行』を披露。先月、神戸ワールド記念ホールで行われた卒業コンサートでは涙を見せなかったみるきーが涙を見せ、歌えなくなるシーンも。
歌唱後、みるきーは「みんなの顔を見ると、安心して、涙が出てしまいました。嬉しい。ありがとう、みんな来てくれて。」と、同期メンバーに感謝の言葉を伝えると、場内から大きな拍手が送られた。そして、卒業セレモニーへ。ファンからは卒業証書、花束、花冠が、メンバーからは色紙(寄せ書き)と思い出ボードが、みるきーにプレゼントされた。
メンバーを代表して、渋谷凪咲が手紙を読む。「みるきーさんは私にとって、雲の上の人でした。アイドルとして、まわりからかわいいと思われるのは当たり前で、そのもっと上を目指して常に努力することを教えてくれました。みるきーさんと同じグループ、同じチームで活動できたことは、私にとって本当にかけがえのない時間でした。もっともっとみるきーさんと一緒にいたかったです。でも、みるきーさんが卒業されても、NMB48は絶対にスピードを落とすことなく走り続けます。先輩方が作り上げてきて下さったこのグループを、より一層輝かせられるように頑張ります。だからこれからも私たちを見ていて下さい。みるきーさんのこれからが幸せいっぱいに包まれることを心から願っています。みるきーさん、本当に本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。ずっとずっと尊敬していて、憧れで、大好きです!」
「なぎちゃん、ありがとう!」と、渋谷を抱き締めるみるきー。
そして、最後の挨拶。「今までNMB48の私をずっと支えて、ずっと応援して下さって、本当にありがとうございました。このステージやライブは私の味方で、どんな時も、悩んでいた時も、ステージに上がると、自分らしくいられる場で、本当に楽しかったです。卒業発表をしてから気付いたんですけど、自分が思っている以上に、メンバーとかスタッフさんとか、皆さんに支えられていて、全然私は一人ぼっちじゃないんだなって…(涙ぐむ)。今、泣きたくないんですけど、言葉では言い表せないぐらいの感謝の気持ちでいっぱいです。本当に皆さん、ありがとうございました!」
ラストは、みるきーが「この曲を最後に歌いたかった」という『わるきー』を全員で合唱!会場は笑顔で溢れた。
みるきーの23歳の誕生日の9月19日(月)に、神戸ワールド記念ホールで開催された卒業コンサートのDVDが発売されることがサプライズVTRで発表され、「嬉しい!絶対買って下さい!」と、みるきースマイル。
ステージからメンバーが去っていき、一人残ったみるきーからのラストメッセージ。
「本当に最高のアイドル人生を送れました。幸せでした。ありがとうございます!(→場内から大きなみるきーコール)こんな何をしでかすかわからないような破天荒な私をずっと好きでいてくれた皆さん、本当にありがとうございました!」
こうして、アイドル”みるきー”は、旅立っていった。だが、みるきーに憧れて、アイドルになる女の子は、後を絶たないだろう。彼女のDNAは受け継がれていくのだ。
8月21日、東京で『渡辺美優紀ファーストスタイルブック MILKY』の発売記念お渡し会が開催されたが、今後の活動は未定。彼女がこれからどんな道を歩むのか、誰にもわからない。
あの屈託のない笑顔で「ただいま~!」と、再び私たちの前に現れる日が来ることを願ってやまない。
【取材・文・撮影=ポッター平井】
ポッター平井