「べっぴんさん」蓮佛美沙子がメアリー・カサット展に

関西ウォーカー

10月3日(月)にスタートするNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で、ヒロイン・坂東すみれの姉を演じる女優の蓮佛美沙子が、9月26日、京都国立近代美術館(京都市左京区)で12月4日(日)まで開催される「メアリー・カサット展」の開会式に出席した。

女優の蓮佛美沙子が、9月26日、京都国立近代美術館で開催の「メアリー・カサット展」開会式に出席した


本展は、19世紀後半のパリで活躍した印象派を代表する米国人女性画家、メアリー・カサットの回顧展。日本では35年ぶりとなる今回の回顧展では、イタリアやスペインの巨匠たちから学んだ初期から、印象派との出会い、日本の浮世絵を研究して母子像を主なテーマとする独自の画境を確立まで、カサットの生涯を3章に分けて紹介。カサットの代表作や日本初公開の名作に加え、交流のあった印象派画家たちの作品、影響を受けた浮世絵版画などを含む合計約110点が展示される。

ひとあし先に作品を鑑賞した蓮佛は、女性の職業画家がまだ少なかった時代に、さまざまな困難を乗り越えて画家となる意思を貫いたカサットの生き方と、戦後まもない困窮の中で子供服店を起業して活路を開く物語のドラマ「べっぴんさん」と重なるところが多かったと語る。

「伝えたいことを絵で表現し続けることは、すごく大変なことだったはず。『べっぴんさん』も戦中戦後の生きると自体が困難な時代の中で、ヒロインのすみれがモノづくりをしていくお話なので、自分がやりたいことを貫き、続けていくたくましさはカサットと共通するなと思いました。また、“べっぴんさん”という言葉は、“綺麗な人”に向けて使われる言葉ですけど、今回のドラマでは“特別な品物”、“自分にしか作れないもの”という意味。私は彼女の作品を観て、まさしく“べっぴんさん”だと感じました」

NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で、ヒロイン・坂東すみれの姉を演じている蓮佛が、「メアリー・カサット展」とドラマの共通点などを語った


また、蓮佛が演じているすみれの姉・坂東ゆりの想いと重ねながら、特に感銘を受けた作品「ふたりの姉妹」についての感想も。

「ふたりの女性が描かれた一枚の絵から、いろいろな表情を想像することができて、ドラマの内容と絵の訴えかけていることが重なる部分もありました。姉であるゆりとして言えば、純粋に妹のすみれのことが大事で愛しているという気持ちだったり、おっとりした性格で思いを伝えることが苦手な妹を心配する気持ち、自分が何かで躓いた時に一生懸命やりたいことを頑張っている妹に嫉妬してしまうチクッとした気持ちなどがみえてくる。姉妹って大切な存在であると同時に、背中を押してくれる存在でもあるんです。『べっぴんさん』でゆりを演じている今だからこそ、心に引っかかった作品なのかもしれない」

「メアリー・カサット展」は、京都国立近代美術館にて12月4日(日)まで開催中


NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」は、10月3日(月)よりNHK総合ほか、毎週月曜から土曜の朝8時に放送。

「メアリー・カサット展」は、京都国立近代美術館にて12月4日(日)まで開催中。

【取材・文・撮影=関西ウォーカー編集部 大西健斗】

大西健斗

注目情報