湊かなえの同名小説を映画化した映画「少女」の先行上映会が、9月16日に梅田ブルク7(大阪市北区)で行われ、舞台挨拶に出演の本田翼と山本美月、監督を務めた三島有紀子が登壇した。
本作は、累計100万部を超える湊かなえのベストセラー小説を、「しあわせのパン」、「ぶどうのなみだ」などで知られる三島有紀子監督が映画化したミステリアスな青春ドラマ。17歳という多感な時期を迎えた、本田翼と山本美月が演じる2人の女子高生の姿を通して、それぞれが抱える闇や“死”にまつわる禁断の世界を映し出す物語。
三島監督は、「大阪出身なので帰ってこれたなという気持ちと、こうして大阪の皆さんに観て戴けることが幸せに思います」と挨拶。
心に闇を抱える女子高生の由紀を演じた本田は、「私自身はポジティブな性格なので、それを押し殺した“無”の心にして演じました」と役どころについて語ると、三島監督は「声のトーンを最初に決めたよね。もっと低い声にして、いつも世の中に対して怒っている感情を持っているイメージで演じてもらいました」と演出についてコメント。
由紀の親友・敦子を演じた山本は、「シリアスで緊張感のあるお芝居の時は、ピリッとした空気の現場でした。監督は厳しいところもあるんですけど、愛のある厳しさなんです。私の隣で囁きながら演出をしてくださって、不安な時は監督のところに行っていましたね」と、撮影を振り返った。
また映画の役どころにちなんで、どういった学生生活を送っていたのか聞かれると、山本は「中の下というか、いたって平均的でしたね。テストも平均的で、クラスの中でも真ん中ぐらいにいる、特に目立たないただの演劇部の子でした」と、意外な過去を明かす。
さらに本田は、「私は一匹狼でした!好きなことに夢中になってしまう性格なので、17歳の時は図書館で借りた漫画の『SLAM DUNK』を、クラスのみんなが盛り上がっている時もずっと漫画を読んでいました。あと女の子って、周りの友達を誘って一緒にトイレに行くんですけど、それがよく分かんないないなぁと思っていたり(笑)」と、彼女も意外なエピソードを披露。
そして本作の見どころについて聞かれた山本は、「この映画には伏線がたくさんあるので、どこも見逃さないでください。個人的には剣道だったり、水中に入るシーンはすごく頑張ったので、観て戴きたいなと思います。最初に同世代の方と観られた方は、次は違う世代の方と、違う性別の方と観て戴けたらいろいろな意見が交換できるのかなと思います。この映画が少しでも多くの方の心の闇に光を当てられたらなと思います。劇場で待ってます!」とアピール。
本田は「可愛いばっかりじゃないですよ!観終わった後に『楽しかった!』という感想だけでは決してない、余韻が残る映画になっています」と作品の魅力について投げかけた。
最後に三島監督が、「タイトルは『少女』なんですけど、男性の方にも、少女の時期を過ぎた方にも受け取っていただく何かがあると思います。100人に観て戴けたら100人の見方がある作品になっているので、いろいろなことを受け取っていただけたらなと思います」と伝えて締めくくった。
映画「少女」は、10月8日(土)より梅田ブルク7ほか、全国の公開劇場で上映。
【関西ウォーカー編集部】
大西健斗