10/4(土)〜12/5(金)は「第三回鎌倉芸術祭」。期間内、鎌倉市内ではさまざまなイベントが行われる。その中で、鎌倉の歴史と文化、自然を撮り続けて30年余の写真家・原田 寛氏(鎌倉市大町在住)が、建長寺法堂にて写真展を開催する。今回のテーマは「大根鉢(だいこんはつ)」。この、あまりなじみがない単語について、原田氏に教えていただきました。
「禅宗寺院で修行僧たちが生活する修行道場の食事に、ダイコンのタクアン漬けは欠かせません。修行僧の食生活を支える一年分のタクアン漬けや切干し大根を作るために、建長寺の僧堂では毎年1月に、雲水たちが三浦半島に出かけて末寺の檀家などからダイコンを托鉢します。この『大根鉢』の様子と、さらにはタクアンの漬け込みや切干しダイコン作りなどの一連の作務(さむ)を、写真に収めました。創建以来750年以上続いている厳しい修行生活や道場でのようすなどは、日ごろほとんど一般の目に触れる機会がありません。その貴重な一面を垣間見ることができる写真を一堂に展示するフォト・ルポルタージュです」
会場となる建長寺では11/1(土)〜3(祝)は年1回恒例、方丈および大庫裏での「宝物風入れ」を同時開催。「宝物風入れ」は古くから伝わっていた広報や重要文化財を含む仏像、画書など約200点を、文化の日前後の3日間に限って虫干しをかねて一般に特別公開するイベント。創建当時の開山直筆の法語規則や開山の頂相画など、日ごろ目にする機会のない貴重な寺宝類を間近に見ることのできる絶好の機会。この秋、鎌倉に行く時はぜひ建長寺に立ち寄ってみよう!【横浜ウォーカー/木村優子】