関東学院大学×横浜ウォーカーのコラボイベントとして開催されている特別公開講座「横浜学」。10月9日、第21回となる講義が開催された。テーマは「横浜とクラシック音楽」。
初めに登壇したのはフェリス女学院大学学長、秋岡陽先生。日本における西洋音楽の受容には、「軍楽・賛美歌・唱歌」の3つの形があると話を切り出した。フェリス女学院には日本で最も古い賛美歌教育の記録が残っており、「賛美歌」と「横浜の歴史」とは特に深いつながりがあるという。さらに、滝廉太郎や山田耕筰らが取り組んだ日本語の歌づくりについて、具体例を用いて紹介。横浜から入ってきた西洋音楽が、日本の歌としてどのように浸透していったのかを説明してくれた。次に東京藝術大学特任教授の新井鷗子先生が登壇。クラシックコンサートの構成作家としても活躍する豊富な経験を元に、コンサート構成を4つのタイプに分類して解説。ひとつのテーマで構成する「テーマ貫徹型」やいろいろな要素を詰め込む「かやくごはん型」などユーモアを交えたわかりやすい説明に、会場は終始温かなムードに包まれた。新井先生自身がディレクターを務める「横浜音祭り2016」(9月22日~11月27日まで開催)についても紹介し、「地域との密接なコミュニケーションが、横浜で開催するイベントの最も重要なファクターになります」と締めくくった。最後の登壇者はフリーアナウンサーの朝岡聡先生。コンサートの司会やコンサート・ソムリエとしても活動する朝岡先生がさまざまな写真と共に、生で体感するクラシック音楽の魅力を熱く語ってくれた。約200年前のヨーロッパで使われていた古楽器を用い、横浜山手の西洋館で演奏される「山手プロムナードコンサート」など、横浜ならではのコンサートも紹介。会場に集まった横浜の音楽ファンに新しいクラシック音楽の楽しみ方を提案してくれた。
横浜の歴史とクラシック音楽との深いつながりを感じた今回の講座。クラシック音楽の新たな魅力を知り、今まで苦手に感じていた人もコンサートに足を運びたくなるような内容となった。
次回は「横浜と自動車」をテーマに12月11日(日)開催の予定だ。【横浜ウォーカー】