10月22日(土)に公開される母娘の愛を描く映画「バースデーカード」。本作の完成披露舞台挨拶が10月7日に大阪の梅田ブルク7(大阪市北区)で行われ、出演している橋本愛、ユースケ・サンタマリア、須賀健太、宮崎あおいに加え、吉田康弘監督が登壇した。
本作は、亡き母親から毎年届く、バースデーカードの内容に戸惑いつつも成長していくヒロインの姿を描いた人間ドラマ。橋本愛が透明感のあるヒロインの鈴木紀子を演じ、ユースケ・サンタマリアが家族を支える父・宗一郎、家族のムードメーカーである弟・正男役に須賀健太、そして大きな愛で家族を見守る母親・芳恵を宮崎あおいが演じる。メガホンをとるのは、井筒和幸監督の助監督を経て「キトキト!」などのオリジナル作品を手がけてきた新鋭・吉田康弘監督。また、本作の主題歌「向日葵」を木村カエラが担当している。
8000通近い応募の中から選ばれた300名が会場に詰めかけ、関西では貴重なメインキャストが勢ぞろいしての賑やかな舞台挨拶が執り行われた。舞台挨拶が始まると、ユースケ・サンタマリアが開口一番に「大好きな大阪に帰ってきたで!」と挨拶。控室でイカ焼きを堪能した話など、大阪ならではのトークも交えながら作品の見どころなどが語られていく。
本作でユースケ・サンタマリアと夫婦役を演じた宮崎あおいが、「普段のユースケさんは、ふざけたことを言って場を和ませたり、みんなを引っ張っていってくださるムードメーカーなんです。だけど、しっとりとしたシーンや夫婦ならではの想いを語り合うような重要なシーンを演じる時には、いつものユースケさんからは想像できないような目をされるんですよね。それがすごく印象的で、一緒にお芝居をしていてグッときました」と明かすと、照れ笑いするユースケ・サンタマリア。
そんな二人の娘・紀子の最も多感な17歳から25歳までの成長を演じた橋本愛は、「17歳の紀子なら若くて弱々しく、脆い芯の細さみたいなを意識しました。大人になるにつれて、その芯がどんどん太くなっていくという変化は誰しもがあることなので、声の出し方や張り方、姿勢だったりというのを、紀子の年齢やその時の状況に応じて一番ふさわしい演じ方を当てていくようにしました」と役へのアプローチについて語った。
紀子の弟・正男を演じた須賀健太は、「母を亡くしてからの正男くんを演じたので、映画の中で宮崎さんとご一緒する機会が実はなかったんです。それが映画のキャンペーンでご一緒させていただくようになったので、すごく緊張しているんですよね。もう会えないはずのお母さんがすぐそばにいて、何を話したらいいんだろうって、正男くんが大きくなってからお母さんと会えていたら、実際にこんな風に緊張するんだろうなというリアルな気持ちを今まさに感じています」と、打ち明けた。
するとすかさず、「お母さんもびっくりしてるぞ、髪の毛が緑になっちゃったりして!」とユースケ・サンタマリアが、須賀のヘアスタイルを茶化して会場の笑いを誘う場面も。
続いて、大阪出身の吉田監督は「オリジナルの脚本で、このようような豪華なキャストとメジャーな舞台で映画を作れたことをありがたく思います。同時に、勝負だなと思っています。今作がヒットして、日本映画にもっとオリジナルの作品が増えたらいいなという想いがあります」と、意気込みを語る。さらに、昨年で40周年を迎えた大人気番組「パネルクイズ アタック25」(朝日放送)が実際に劇中で登場して、紀子が解答者として出演するまでの物語が描かれることについて、「“クイズ番組”というよりも一般の方々が緊張していたり、正解すれば明るくなってガッツポーズをとるような、“ドキュメント”に近いところが好きで子供の頃から見ていた番組でした。脚本を書いている中で、『普通に生活している人が、人生の中でスポットライトを浴びる瞬間と言えば何かな…』と考えた時に、視聴者参加型のクイズ番組に出るということがぴったりだと思ったので取り入れさせていただきました」と話した。
最後に、ユースケ・サンタマリアが「自分が出演している作品を、実はこれまであまり観たことがなかったんです。だけど、この映画は観なければいけないなと思って、観てみると想像していた何倍も素晴らしい映画になっていました。現段階では、僕の中で断トツナンバーワンです! 心の底からみなさんに観てほしい、大事な映画になりました」とアピール。
そして宮崎は、「この映画のために木村カエラさんが『向日葵』という素敵な曲を作ってくださりました。本当に優しい声で、映画の最後を包み込んでくれています。ぜひエンドロールが終わっても、席を立たずに最後まで観て帰ってください」と、メッセージを送って舞台挨拶を締めくくった。
映画「バースデーカード」は、10月22日(土)より梅田ブルク7他、全国の上映劇場にて公開される。
【関西ウォーカー編集部】
大西健斗