関西ジャニーズJr.で活躍し、「ガラスの仮面」などの舞台にも活動の幅を広げている浜中文一が、舞台初主演を果たす。作品は、あきれるほどエロティック❤コメディミュージカル「50(フィフティ)Shades(シェイズ)!~クリスチャン・グレイの歪んだ性癖~」。そしてこれは、15歳未満、中学生以下の人は観ることのできないR-15指定作品だ。
ベストセラー官能小説をパロディ化したオフ・ブロードウェイのミュージカルを、初の日本版として河原雅彦の上演台本・訳詞・演出で上演する舞台。物語は、マンネリ化した性生活を送る主婦3人が“本を読む会”で本を読み始めるところから始まる。選んだ本は、リッチで色男だがサディストの青年実業家・グレイと、平凡でうぶな女子大生・アナとの歪んだ愛を描く小説。その物語が舞台上で実際に展開されていく。
型破りの「エロ×コメディ」な世界観を持つ過激な作品が、その昔、マルチパフォーマンス集団「HIGHLEG JESUS(ハイレグジーザス)」総代として“エロ・バカ・ショック”を信条に小劇場界に刺激を与えて来た河原の手により、「悪ノリ×変態×コメディ」200%なスーパー・エロティック・ワールド作として登場。
「主演をこんなにも早くできるなんて。そして念願だった主演作品が、こんなにも衝撃的な作品だとは思いもしませんでした」と言う浜中を取材。稽古を控え、大阪では年末の上演となる公演への意気込みを語った。
Q:R-15指定の作品で舞台初主演なんですね。
僕は望んでたわけではなかったです(笑)。最初、R-15指定って知らなくて。主演の作品はどう?と言われて、やらしてもらえるんやったらやりますって返事をして、で決まって、後で知ったんです、R-15って。15歳以下の人たちには申し訳ないなと思うんですけど。
Q:役については?
クリスチャン・グレイは、急にそういう性癖を持ったわけではなく、多分、幼い頃からのいろんなトラウマとかが影響しているのではないかなと思うんです。人間だれしも、こうなるチャンスはあると思うんですね。もしかしたら僕もそうなっていたかもしれないし。だから、なぜ歪んだ性癖になったのか、女性に触れられるのがすごくイヤなのはなぜなのかとか、幼少期からのことをいろいろ突き詰めて、人物像を作っていきたいと思っています。僕もそれなりに人生に波はありましたから、グレイとは近いものがあるなと台本を読んで思ったので、やるのがすごく楽しみです。
Q:サディストの青年実業家ですが。
SとかMとか考えたことがないです。普段はノーマルでいますし。基本的には受け身な性格なのかな、人に対しては攻撃的な感じはないですね。けど、わからないですね。役のために勉強して、今から開花しちゃうかも(笑)。で、いろんなグッズを集め出したりしてね。そうなったら、カンテレさんの責任ですから(笑)。でも、知っておきたいと思うタイプなので、実際に見て、触っておかないと。何も知らないままじゃいけないですから。ただ、購入するとなったらちょっと…そういうお店に出入りしている写真をパシャっと撮られたら、それも問題やし。いくら勉強とはいえ、そこはカンテレさんに頼みますわ(笑)。
Q:開花したら?
この芝居やってるからって(笑)。終わったら、「まだちょっと役が抜けなくてさ」って、ごまかします(笑)。
Q:河原さんとは話しましたか?
河原さんも、楽しみながら上演台本を書いたと。とにかくマジメにやってたら、すごいことになると思うんで、みんなでテンション上げて楽しくやろうっていう感じでした。最初から、みんなで思いっきりやる。もう、勢いで形作って、いつのまにか浸みこんでるっていう感じの方がいいと思いますね。
Q:主演の意気込みは?
僕がいろんな場面で引っ張っていかないといけないかなと思ってるんですけど、それ以上にほかの方もすごくノリノリでやられると思うんで。さらにそれを超えた感じでやらないといけない。けっこうきわどい動きや相手との絡みとか、もうガンガンにやっていかなアカンなとは思ってます。
Q:オフ・ブロードウェイの舞台を観た時の印象は?
お客さんは、「ワァオ~!」「ホウホウ!」って言いながら、爆笑してました。もっとガッチリ作り込まれてるのかなと思ったんですけど、けっこう緩い感じで(笑)。音楽はノリノリの曲とか、いろんな感じの音楽が混ざってて楽しかったです。純粋におもしろいと思いましたし、笑えたんで、それをちゃんとお客さんに届けたい。でも、エロい感じだけじゃない、もっと違う何かを見せられたらと思うので、今回の舞台の方がきっとオフ・ブロードウェイに勝ってますよ(笑)。
Q:エロい感じなら、ファンの女子は「キャア~!」ってなる?
いや、「キャア~」じゃなくて、「ん?」ってなると思いますわ。エロさ的には軽い感じじゃなく、突き抜けた感じ。ポップなエロ用語ではない、もっとSMの専門用語やマニアックな器具とか、知らないものも出てきます。なので、お客さんは休憩時間中に調べるかもしれないですね。僕も、あ、こんなんあるんやって、調べて初めて知ったものもあるので。
Q:後輩とかに内容を話しました?
いや、まだ詳しくは話してないです。濱ちゃん(濱田崇裕)は、すごく楽しみにしてましたね。ボクが主役をすることと、「なんか、エロい感じなんやろ」みたいな感じで(笑)。
Q:観たいような、怖いような…。
今年最後にドえらいもん観たなと、1回観たら、多分、忘れられないでしょうね、これは。もう、最悪の事態を考えてもらってた方が(笑)。ま、多少はエロ用語が飛び交いますけど、いざ観に来たら、「楽しかったやん」「すっごい、いいやん」って思ってもらえると思います。コメディやから、心を開放して楽しんでもらえたら。
Q:年末ですしね。
「会社終わった~!」って時に、その勢いとノリで来てもらうと、すごくピッタリやと思います。年末の笑い納めに、コンサートでストレス発散するような感じで観に来てもらえれば。客席でも、どんどん奇声を発してくれたら僕らもさらにノリノリになるし、この「フィフティシェイズ」を一緒に盛り上げて、一緒に楽しんでやっていきたい。参加型エロバカコメディミュージカルですから。クリスマスは寂しかったし、お正月も予定なしっていう人たちも来てくれたらうれしいです(笑)。
はーこ