Acid Black Cherry のコンセプトアルバムを実写化した映画「Lーエルー」で主演を務めた広瀬アリスさん。家族を失い、孤独で壮絶な人生を歩んだ主人公“エル”の生涯を、迫真の演技で体現している。
「全編グリーンバックでの撮影、さらに現代ではない異世界で一人の女性の生涯を演じるということで、環境の面でも、お芝居の面でも新しい挑戦の連続でした。睡眠時間もままならないほどハードな撮影でしたが、追い込まれれば追い込まれるほど集中力が高まっていくのを感じました。神経が研ぎ澄まされて、自分の心臓の音さえも雑音に聞こえる――こんな経験は初めてです」
恋人からのDVやキャバレーでの妖艶なダンスシーンなど、体を張った場面の連続。時には撮影が終わった後も役から抜け出せず、自宅に帰ってから急に泣きだしてしまったことも。
「一度泣き始めたら涙が止まらなくて“いけない、明日も撮影なのにどうしよう…”と。今は笑って話せるけど、その時は必死。“とにかく寝なければ！”と泣きながらベッドに潜り込みました」
そんな彼女の支えとなっているのが、大好きな家族の存在。どんなにつらい時でも、家族の顔を見ると心からホッとできるという。
「家では、仕事の話は何もしません。ただの娘で、(兄の)妹で、(広瀬すずの)お姉ちゃん。家族でご飯を食べて、アニメや映画を観ながら笑ってると、疲れなんて吹き飛んじゃいます」
実は「Lーエルー」への出演を誰よりも喜んでくれているのはお兄さんなのだそう。
「兄がAcid Black Cherryさんの大ファンなんです。私が報告した時は素っ気なかったけど、母の前では“マジかよ!?”って興奮していたそうです(笑)。私自身も完成版を早く観たくてウズウズしています。今までのイメージとは違う“大人の広瀬アリス”をご覧いただけると思うので、楽しみにしていてください」
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【東京ウォーカー編集部●取材・文＝細田ゆり/撮影＝TAKAMURADAISUKE(PMX MANAGEMENT)/スタイリスト＝櫻井まさえ/ヘアメイク＝宮本 愛】
編集部