猛威をふるう「新型インフルエンザ」対策で、マスクや抗菌グッズの売れ行きが好調だが、さらに一歩進んで“除菌機能”を持った空気清浄機も今人気だという。
「通常、空気清浄機に求める機能は、『花粉』『脱臭』『たばこの煙』などの除去が一般的ですが、今年は『除菌』が圧倒的。販売台数の大半も、“除菌系”が占めていますね」とは、「ヤマダ電機LABI渋谷」販促POP室長の川瀬さん。例年とはラインナップが異なるので単純な比較は難しいと断りながらも、空気清浄機としては、前年比160〜170%くらいの販売台数だという。
中でも、アレル物質、ウイルス、カビ菌などを分解・除去する「プラズマクラスター」技術を搭載したシャープ製品や、新型インフルエンザ向けの新商品を発表したサンヨーの「ウイルスウォッシャー機能」を搭載した製品が人気で、サンヨー製品は、在庫がかなり少なくなっているという。メーカーの三洋電機も「問い合わせも多いですし、在庫もだんだん少なくなっていますね」と反響が大きいようだ。
「通常は6畳で1万5000円からですが、除菌機能が付いた空気清浄機は3万円から。値段が高くなりますが、小さいお子様がいる家庭に人気ですね」とは、LABI渋谷店の店頭スタッフ。報道が加速した8月末の週末は、売場でスタッフの“説明待ち”ができたというから、注目度の高さが分かる。
一方、オンラインショッピングの「楽天市場」でも、空気清浄機は、顕著に売上げが伸びているという。
8/31〜9/6の空気清浄機(本体)の人気ランキングでは、なんと10位中7つが「プラズマクラスター」技術を搭載したシャープ製品。「マスク関連、加湿器、空気清浄機などは、顕著に売上が伸びていますが、5月の流行時よりは身のまわりの衛生管理に対応した商品が動いていると思います」と、楽天市場の広報も、この動向を分析している。
両社とも、「新型インフルエンザの報道を通して、個人の衛生意識が高まったのでは」と推測する、今回の“除菌機能つき空気清浄機”の人気ぶり。とはいえ「空気清浄機の除菌は万能ではないので、『手洗い』『うがい』の徹底と、広めないための『マスク』の使用もお願いしたいです」という、販促POP室長の川瀬さんの言葉通り、他力本願ではなく、「自分の生活環境から自分の身を守る」という意識が「新型インフルエンザ」対策には一番のようだ。 【東京ウォーカー】