“食を通じて日本を元気に!”を合言葉に、さまざまなメディアで活躍するグルメブロガーやフードジャーナリストで結成された最強グルメユニット「食べあるキング」のメンバーが、それぞれ得意とするジャンルのチーズメニューを紹介!今回は、激辛・アジア料理を得意分野とする金成姫(キム・ソンヒ)さん。激辛メニューとチーズのコラボのポイントは、味の変化=“味変”にあるとのこと。激辛の女王が選んだメニューとは?
山本牛臓「チーズホットタッカルビ」(3230円)
麻布十番駅から徒歩2分。隠れ家のような雰囲気の韓国料理店。店主の山本高弘さんが10年前に大阪で店をはじめ、この味をもっと広めたいと2010年に東京へ進出。鮮度抜群の国産食材を使った「炙りレバー」や「もつ鍋」「サムギョプサル」などが評判を呼び、たちまち人気店に。今回紹介する「チーズホットタッカルビ」は、6月に登場したばかり。タッカルビは鶏肉や野菜を鉄板の上で甘辛いコチジャンで炒める韓国料理。山本牛臓では、特殊な鍋を使ってチーズフォンデュのようにいただくのだが、鶏肉をチーズにくぐらせる動画を公開するとたちまちバズり、合計で120万回以上再生。新たな看板メニューへと駆け上ったまさにホットな一品だ。
「店名からも分かるように、本来は牛肉がおいしいお店なのですが、あえてコレも食べてほしいです。写真を見て変わった鍋だなと感じたと思うんですが、大・中・小の6つに仕切られていて、それぞれにバターコーン、キムチ、ニンニク、そしてチーズなどが入っています。C字型部分はケランチム(韓国風茶碗蒸し)。家庭で作ると火加減が難しい…特殊加工の鍋なので、焦げずに美味しく作れるのです。タッカルビに使っているコチジャンは自家製です。タレは牛コツスープを使っていて、奥深い旨味があります。そのままで食べてももちろん絶品ですが、チーズにくぐらせることで一変。まろやかな味への変化が楽しめます。コーンやキムチなどの具を合わせてみたり、辛さをより求める人は青唐辛子が無料で追加できるので、自分好みに調整してみてください」(金)
ソウルフードインディア「激辛チーズカレー鍋」(1880円/単品)
インド出身のシェフによる本格的なインドカレーが楽しめる店。常にインドミュージックが流れており、まるでインド旅行をしているかのような気分に浸れる。客層はカレー好き、辛いもの好きはもちろんだが、気さくなスタッフの対応が心地よく、平日の夜は仕事帰りのビジネスマンたちの憩いの場となっている。「激辛チーズカレー鍋」は、予約限定(2名~)の名物メニュー。単品で1880円だが、前菜やタンドリーチキン、120分の飲み放題が付くコース(3980円)もあるので、忘年会・新年会で利用するならこちらがおすすめだ。辛さのリクエストにも応えてくれるので、予約時に確認しよう。
「このお店のメニューにはもともとカレー鍋があって、シメのチーズリゾットが好評なんです。今回の『激辛チーズカレー鍋』は、シメではなく半分くらい食べてから、チーズを投入します。パンチの効いた辛いスープにチーズが混ざることで、濃厚でまろやかな味わいに変化します。お腹に余裕があれば、最後にリゾットでシメてもいいですね。かなりボリュームがあるので、お腹を空かせて来店することをおすすめします。ちなみに私はこのお店に来ると『ガーリックチーズナン』を必ず注文します。みなさんもぜひ試してみてください」(金)
地獄の担担麺 護摩龍「護摩龍(1辛)」(800円)+「炙りチーズリゾット」(200円)
店名に「地獄の~」とついていることからも分かるように、辛いもの好きの間では知らぬ者はいない、激辛担々麺の専門店。JR大久保駅の南口から1分。勇者を待ち構えるかのような、ドクロの暖簾が目印だ。基本となる「護摩龍」が1辛で、さらに「飢餓」(10辛/850円)、「阿修羅」(15辛/900円)、「血の池」(30辛/950円)、「無限」(?辛/1100円)と5段階のレベルがある。残ったスープで作る「炙りチーズリゾット」は、勇者に許された特権。たどり着くためには、まずは「護摩龍」から始めてみよう。
「激辛好きとしては、まず辛さが選べるのが魅力ですね。スープはレベルが上がるほどどんどん辛さが増していきますが、ただ辛いだけじゃない。濃厚でクリーミーなんです。ゴマがたっぷり入っていて、存在感がものすごくある。『炙りチーズリゾット』は、その残ったスープにご飯とチーズを入れて、バーナーで表面を炙って仕上げています。チーズの香ばしい香りが鼻をくすぐり、お腹いっぱいのはずなのに食欲が刺激されてしまう。ぜひシメのリゾットまで経験してください!」(金)【ウォーカープラス編集部】
■金成姫(キム・ソンヒ)
食べあるキングの激辛・アジア料理担当。調理師免許とフードアナリスト、作る側と食べる側、両方の資格を持つ。「ただ辛いだけじゃない、激辛メニューの奥深さをたくさんの人に伝えたい」
小貫正貴