国内・国外から毎年200万人以上の観光客が訪れる、北海道の冬の大イベント「さっぽろ雪まつり」。大通会場、つどーむ会場、すすきの会場の市内3か所を舞台にして合計約200基もの雪像&氷像が並びますが、あの雪像、どんな風にできているか気になりません?
ちなみに、つどーむ会場といえば雪遊びを楽しめる大型滑り台やスノーラフトがあり…
すすきの会場には多彩な氷像が並び…
大通会場には圧巻の大雪像、大氷像などが並びます。
さて、この大雪像の制作は、陸上自衛隊のほか、1987(昭和62)年からは一般市民も携わっているんです。昨年度、5基のうち3基を制作したのは、市民団体や市民ボランティアなど延べ1000名が参加する「大雪像制作委員会」(第1~第3部会まであります)。なんと企画から制作まで、すべての工程を手掛けているそう。
大雪像の制作がスタートするのは、開催約1か月前。1基の大雪像につき約30~50人体制を組み、交代しながら休みなく作業していきます。
大雪像の雪は人が立ち入らない場所からきれいなものが厳選、その量は小さな雪像でも10トントラックで約150台分、大きなものだとなんと約300台分以上にもなるんです! さすが大雪像、300台分の雪なんてイメージつきません…。
始めに行うのが、木枠の囲いにクレーンを使って雪入れする「雪積み」という作業。雪は空気を含んでいるので、スコップで砕いたあと人の足で均等に踏み固める「足踏み」をして、ゆがみのない土台を作っていきます。
土台ができ上がると、次はスコップやチェーンソーで荒削り。その後、のみやノコギリなどで慎重に削り出し、「化粧雪」貼りで仕上げをしていきます。
「化粧雪」というのは、きれいな雪にわずかな水分を含ませ、貼りつけやすくしたもの。この「化粧雪」をすり込み、雪像の表面をなめらかに仕上げていくんです。
そうして足場の解体や雪像点検を終えて、ついに完成! となるわけです。
気温が氷点下にもなるほどの寒さのなかで、進められる作業の数々。地元民でさえ、少し外に出るだけで「寒い寒い」と地下に潜るというのに、頭が下がります…。人の手でひとつひとつ地道に作られている雪像、皆さんもぜひ生でご覧になってみてください!
【北海道ウォーカー編集部】