野菜の価格が高騰する中、たっぷりの国産野菜を低価格で食べられる店が出現した! 外食チェーンの「リンガーハット」が、グループ店で使用するすべての野菜の国産化を10/1(木)からスタートしたのだ。
国産野菜に切り替わるのは、「長崎ちゃんぽん リンガーハット」442店舗、「とんかつ浜勝」111店舗、「長崎卓袱浜勝」1店舗の計554店舗。15道県、40産地の農家と連携して使用する野菜1万2400tを国産化する。
同社が国産化に着手する背景には、1986年にスタートしたキャベツの国内契約栽培、1988年にスタートしたモヤシの自社生産の実績があるという。そして2008年に今回の「野菜国産化プロジェクト」を本格的に始動。安心・安全で栄養価が高いこと、輸入野菜よりもフードマイレージ(食料輸送距離)が小さいこと、ひいては日本の食料自給率の向上に役立つことなどがその理由だ。そして今年4月から一部店舗の野菜の国産化や国産野菜メニューの導入を行い、満を持しての全国展開となったのだ。
特に主力メニューである「長崎ちゃんぽん」(東日本500円、西日本490円)は使用する野菜を変更。キャベツ、モヤシ、ニンジン、玉ネギ、青ネギ、コーン、オランダさやえんどうの計7種類を1食当たり255gに増量し、スープもブラッシュアップ。さらに480gもの野菜を使った「野菜たっぷりちゃんぽん」(650円)も全店で販売を開始する。試験販売店舗では「野菜がこれだけの量を食べられるのはすごい!」と好評を得ているそうで、国産野菜を全面に打ち出すことで食の安全に厳しいファミリー層の利用客が見込めそうだ。
また、このプロジェクトに合わせ、雑穀料理研究家で野菜ソムリエの王理恵さんを「日本の野菜推進チアプロデューサー」として起用。国産野菜の美味しさや摂取することの大切さを伝えていくという。
チェーン店舗すべてで野菜を国産化するというのは非常に珍しい試みだが、食に対して厳しい昨今の世情にマッチしている。今後、追随する店が現れるのか、動向が楽しみだ。【東京ウォーカー】