ウェブサイトから注文すると自宅近くの店舗が商品を届けてくれる「ネットスーパー」。10/1には東急ストアとサミットネットスーパーが新たにサービスを開始するなど、新規参入が相次ぎ話題となっているが、他店との差別化はどうなっているのか。調べてみると、それぞれ面白いサービスを発見した。
無料会員制が主流の中、あえて月額210円の“有料”会員制でサービスを充実させている「サミットネットスーパー」。関東圏で95店舗のスーパーを展開するサミットと提携する同社は、業界初となる試みが多い。
まずはネットスーパー専用の“センター”をオープンしたこと。これにより、多くの注文への対応を可能にし、また在庫の一括管理で品切れゼロを実現させる。
また、消費者目線で特に注目したのが、玄関先に“鍵つき固定ベルト”で容器を施錠して留守宅にも届けてくれる「留め置きサービス」。夏場など生鮮食品が傷むのでは? という心配も、常温用・冷蔵用・冷凍用の3つの保冷容器に商品を密封することで解決! 宅配時間を気にせずに外出できるというのはうれしい限りだ。ほかにも追加料金1回315円で当日20〜22時に届けてくれる「ナイト便」の設置、ネットが不得手な人でも利用できる“電話注文”も可能と、細かなところに手が届くネットスーパーだと言える。
一方、関東圏に93店舗(10/8現在)を展開する「東急ネットストア」は楽天グループが運営するネットスーパーモール「食卓.jp」に出店。こちらも業界初となる「資源回収サービス」を実施する。商品宅配時に牛乳パックやペットボトルなどの資源回収をしてくれるというのは、ありそうでなかった便利なサービスだ。
このように新たなサービスを掲げながら続々と企業が参入するネットスーパー。これをどうとらえるか、業界最大手の「イトーヨーカドー」に聞いてみた。
「他店についてはコメントできない」としながらも、「実店舗と同レベルのサービスが受けられることでお客様から好評を得ています」と同社広報・板倉さん。例えば注文の際、備考欄に「魚の頭やハラワタを取ってほしい」と書き込むと、それに対応した商品が届くという。このような細かな注文に応えることが客の満足につながり、結果的に他店をしのぐ最大手としての勢いを見せているようだ。同社は9月末現在、会員数47万人を誇り全国各地の104店舗でサービスを展開、年内に130店舗での実施と、年度内200億円の売り上げを目指す。
サミットネットスーパーは10/1の1号センター(東京都調布市)オープンに続き、年度内に2店目の新規センターを予定。オープン後は毎日数百名の新規登録があるといい、スタートは順調のよう。取り扱いアイテムは約3000。年内に1〜2万人に会員を増やし、2019年には1100億円の売り上げを目指すという。多彩なサービスを展開するネットスーパーの“新鋭”の今後の成長が注目される。
東急ストアは10月に神奈川県内3店舗でサービスを開始し、現在約4200品目を扱う。来年早々には東林間店でもスタートして、東急田園都市線の神奈川県エリアを網羅した配送エリアに拡大予定だ。各店舗1日約100件、単価6000円の注文を目安に、初年度は配送拠点4店舗で5億7000万円の売り上げを目指す。
生鮮食品から日用品まで購入でき、注文から最短3〜4時間で商品が届くネットスーパー。さまざまなサービスで差別化を図っているが、画一的なサービスではなく地域性に特化した商品やサービスが望めれば、ユーザーとしてもうれしいところだ。【東京ウォーカー】