1月10日、大阪市浪速区の今宮戎で行われている十日戎が「本えびす」を迎え、「宝恵駕(ほえかご) 行列」が行われた。NHKの連続テレビ小説「べっぴんさん」で近江坂東家の坂東静子役を好演する三倉茉奈や大阪・松竹座の壽新春大歌舞伎に出演中の中村鴈治郎、福娘、ミナミの芸妓らが宝恵駕に乗り込み、総勢520人の大行列が道頓堀から今宮戎までの約1.8キロを練り歩いた。
9時40分、一行がとんぼりリバーウォークに集合し、出発式が行われた。全員で神官のお祓いを受け、手締めが行われた後、芸妓が乗ったかごを高々と上げる「駕(かご)上げ」が行われた。
行列は旧南地 大和屋のホリデイ・イン大阪難波前から出発。「ほえかご、ほえかご」とかけ声をかけながら、道頓堀商店街や角座前などミナミの要所を経て今宮戎まで練り歩いた。著名人らは沿道の買い物客や見物人、観光客らの呼びかけに手を振ったりして答えていた。途中宝恵駕を降りた一行は徒歩で今宮戎に入り、神官のお祓いを受けた。
参拝後、報道陣のインタビューに答えた三倉茉奈。ドラマに関しては「ヒロインのすみれちゃんが演じるメインの物語を盛り上げたい、支えたいという気持ちに加え、近江の家族を演じる本田博太郎さんや山村紅葉さんら個性的で上手な方が多いので、勉強させていただいています」と表情を引き締めた一方、「大阪で宝恵駕に乗るのは縁起物ですごく有り難いこと。今回は8年前の『だんだん』に続き2度目。その時は妹の佳奈と2人で乗ったが、今回は1人だった。最近は一人で仕事をすることが多く『べっぴんさん』でも一人で出演しているせいか、皆さん躊躇なく『マナちゃん』と読んでくださる。いつの間にか一人一人として認識してもらえるようになったことがうれしかった」と、福のおすそわけのような笑顔をほころばせていた。
【取材・文=関西ウォーカー編集部 鳴川和代】
鳴川 和代