西友プライベートブランド(PB)のワイン「エクストラスペシャル・ワイン」が、ヒルトン東京内のレストランのワインブッフェに期間限定で登場する。スーパーのPBワインがホテルで採用されるのは非常に稀なこと。低価格が魅力のPBだが、正直「味はどうなの?」という一抹の不安もある。そこでその品質はどうなのか、西友PBワインの実力を探ってみた。
“ホテルで採用された”というだけでかなりの価値が付加されたように感じるが、ヒルトンのような名門ホテルであればこそ、“良い商品”しか置かないはず。では、どのような経緯で今回の採用に至ったのか。ヒルトン東京広報によると「このたびのワインは、“マスター・オブ・ワイン”が選定しているというのが大きな理由」だという。
“マスター・オブ・ワイン”とは、1950年代に英国で発足した“世界最高峰”と言われるワインの資格。ブドウ栽培、ワインの醸造や取引に関する知識チェックやブラインドテストが実施され、現在、有資格者は世界でたった278人しかいないという名誉ある称号だ。ちなみに日本人の資格保有者はまだいない。
「エクストラスペシャル・ワイン」は、西友が親会社ウォルマートグループの英国ASDA(アズダ)から直輸入しているが、ASDAではその“マスター・オブ・ワイン”の資格を持つフィリッパ・カール氏がワインを選んでいるのだ。実は、「ヒルトン東京でも同じマスター・オブ・ワインの資格を持つロン・ジョルジオ氏がホテル内のグランドワインリストを監修しています」と前出の広報。なるほど、実績があるだけに“マスター・オブ・ワインが選んだワイン”という、この称号に対する信頼度が高いのも納得だ。
先日行われたワインブッフェのオープニングイベントに参加した記者は、素人ながらもいくつかワインを試飲してみた。特に気に入ったのはフランス・ブルゴーニュ産のシャルドネ「オークエイジド バーガンディー 白」。美しい黄金色で口に含むと樽熟成ならではの柔らかな口当たりに、優しい甘味が漂う。1本1290円(750ml)とは思えない深い味わいだ。こちらの赤も同じ値段で人気のブドウ品種、ピノノワール100%というのもスゴイ。赤ワインなら780〜1380円、白ワインなら580〜1480円の価格でフランスを中心にイタリア、南アフリカ、チリ産のワインがそろう。では、この安さはどのように実現したのか。
同社によると“物流の効率化”が大きな理由だという。親会社ウォルマートが世界一の店舗数を誇り、またASDAのワイン販売額は英国市場全体の約15%を占める。巨大な流通網がコスト削減となっている。“値段以上の味!”だと感動させるこの低価格のヒミツはここにあったようだ。
西友PBワイン18種類がヒルトン東京のブラセリー「チェッカーズ」でバラエティに富んだ料理と共に楽しめる「ASDA Extra Special ワインフェア」は10/31(土)まで、ワインブッフェ2772円(料理は別料金、下記参照)で開催。西友での売上も昨年比25%増というワインとおいしい料理のマリアージュを楽しんで、その実力のほどを実感してみては?【東京ウォーカー】