「バガボンド」「スラムダンク」「リアル」などの人気長編マンガを生みだした井上雄彦さん描き下ろしの巨大作品が東京都現代美術館に登場する。エントランス通路を使って開催される「井上雄彦 エントランス・スペース・プロジェクト」だ。
昨年、上野の森美術館で開催され話題となった「井上雄彦 最後のマンガ展」では、高さ3mを超える大作を披露したが、なんと今回はそれをはるかにしのぐ縦7m、横5mを越える巨大作品が登場する。その大きなキャンバスに描かれるのは、週刊モーニングで現在も連載中のコミック「バガボンド」をモチーフにした作品だというからファンにはたまらない。しかも今回は井上雄彦さんの画力を存分に味わうべく、まさに“壮大な日本画”のような、筆と墨による水墨画が描かれるという。
「井上雄彦さんの描写力の高さには以前から注目していましたが、上野の森美術館で開催されていた『最後のマンガ展』を拝見し、大作を描くことができる方だということを確信し、展示の依頼をさせていただきました」と話すのは東京都現代美術館の加藤さん。メインとなる作品のほかにも、スタンド型の作品もあわせて展示されるというが、その具体的な内容は公開してからのお楽しみという。
「古美術として鑑賞する機会はあっても、現代では一般にほとんどなじみがないといえる『水墨画』とマンガという極めてポピュラーなメディアが結びつく展示です。人気長編マンガ『バカボンド』の世界を体感していただくとともに、現代における日本絵画の可能性の豊かさ、力強さを感じ取っていただければと思っています」と加藤さん。
会期は10/31(土)〜2010年3/28(日)、東京都現代美術館エントランスにて、観覧料は無料で開催される。水墨画で描かれる「バガボンド」の世界、そのダイナミックさを目の前で楽しんでみては。【東京ウォーカー】