金畑実とゆかりの作家たち

鳥取県西伯郡県村(現・米子市)に生まれた洋画家・金畑実(1918-2001)を紹介。鳥取県立米子中学校(現・鳥取県立米子東高等学校)を卒業後、東京美術学校(現・東京藝術大学) 油画科へ入学し、藤島武二に師事。しかし学徒出陣のため1942年に繰り上げ卒業し、約3年間の従軍生活を過ごした。終戦後帰郷し美術教員として米子東高や米子西高で教鞭を執りながら、少女や家族、戦時中の労苦などをテーマに画業を再開。その後1971年の欧州旅行を経て、明るい空と街の風景を描きはじめた金畑はやがて、古刹の仁王像や地蔵菩薩像の表現に活路を見出し、精力的に制作に取り組んだ。一方で、洋画塾「からす会」を主宰するなど多くの後進も育成。本展では金畑の代表作と、鳥取県西部出身洋画家グループ「五驥会(ごきかい)」の盟友や教え子たちの作品を展観する。