ハードな職場からの退職決意後、わずか半年で地方移住をしたアラサー女性にインタビュー!「移住のハードルは意外と高くない」【作者に聞いた】

――現在のやまださんは、どのような方々と関わって生活をされていますか?

外に向けた町の発信に関わっていらっしゃる方がメインです。そういった皆さんは私と同じように移住であることが多くて。一緒にご飯を食べながら「コイツも何年か前に来たんだよ」って紹介してもらったり、人手が足りない仕事をサポートさせていただくなかで顔見知りが増えたりしています。「本当にそんなことあるのかな?」と思っていた野菜のお裾分けは、何かお手伝いをさせてもらった後とかに大量にいただきます。野菜は正直、買わずに済むかも(笑)。しかもすごくおいしくて、素材の味をちゃんと堪能できている気がします。親切で優しい方々に助けられていますね。

――一方で、移住して困ったことはありましたか?

これが特にないんです。しいて言うなら、車を買うまでの1カ月はいろんな店を徒歩で回るのが大変でした。ただ、コンビニやスーパー、薬局、郵便局といったものはちゃんとあるので、車が来てからは本当に困ることはないですね。夜の山道を運転中、動物がヒュッと出てくるのは慣れなくてちょっと戸惑っていますが。

――どんな動物と遭遇するんですか?

シカがよく出ると聞きます。私は昨日、ウサギを見て“今の何!?”ってなりました。昼間は普通にキジが歩いてたりもします。

「山里で出会った生き物たち」これからも共存できたらいいな画像提供=やまださん(@yamadasan_0106)

【写真】光る線はすべてホタル!やまださんもお気に入りの一枚。都会では見られない美しい光景画像提供=やまださん(@yamadasan_0106)


移住のハードルは、自分で思うより高くない。もっと早く移住すれば良かった


――東京での勤務中は精神面でも疲弊していたとお聞きしました。移住後のメンタルはいかがですか?

だいぶ変わりました。こんなにリラックスした生活ができるならなぜもっと早くしなかったんだろうって。都会では気付かないうちに変わっていた季節の変化や自然の移り変わりに今すごく敏感になってて、徐々に夏になっているなとか、今日はすごい星が見える!というのが“ちゃんと生きてるな”って思えるんです。ただ単に1日を終えたというよりは、今日これができた、こういう変化を感じられた、っていうのが実感としてあって、前よりも1日が長くなった気がします。本当に来たかった場所に来れたんだなって思います。

「時間の流れ」まだ自分のことでいっぱいいっぱいだけど、自然を感じ、時計以外で時間を感じられる今の生活が好き画像提供=やまださん(@yamadasan_0106)


――いろいろなタイミングとご縁が重なって愛知県を選ばれたわけですが、移住して感じた愛知の魅力は何でしょうか?

私は都会の部分よりも田舎の景色に惹かれているんです。山はもちろん、川や滝といった豊かな自然に触れられますし、歴史的な建物やスポットも意外と多い。ちょっと車で足を伸ばせば三重や静岡、岐阜など近くの県もさくっと行けるのが便利ですね。今度長野に行ってみたいと考えています。

――これから移住を考えている人にメッセージはありますか?

いろんな地域で考えてみてほしいです。Googleマップで検索すると山しかないようなところでも普通に人は住んでいますし(笑)。自然とミニマリストになっていくことで案外困らずに生活できるんじゃないかなって。もちろん、独り身か家族がいるか……とかで状況は違うと思うんですけど。独り身でわりと身軽であれば、私のように“いろいろお手伝いできます”というスタンスで行って何かに参加させてもらえばそれも地域貢献ですし、地元の方も“新しく来た人にこんな新しい話が聞けた”というのがメリットになると思います。

移住のハードルを自分の中で上げちゃう人もいると思うんですけど、意外とそんなことはないというのが感想ですね。ただ、貯金がゼロで行くのは厳しい。家賃、食費、社会保険料など、すべてを現地に行ってからの賃金で賄えるかと言われたら多分そこまで仕事量がない。皆さん、あまり詰め詰めの営業日でやっていらっしゃらないので。多少なりとも貯金があり、何か別の夢やビジョンを持ちながら物価の安い地方で暮らす……というのは全然アリなのかと思います。

「畑作業(お手伝い)、始めました!」いきなり一人で全部やるのは大変ですが、お手伝いという形で農業に関わっています画像提供=やまださん(@yamadasan_0106)


――やまださんご自身は、今後のSNSの展開や東栄町の魅力の発信についてどんなビジョンを持っていますか?

まずはイラストのほうで何かできたらと考えています。そして、今はまだ充分ではない町のチラシやお土産づくりなどで東栄町の情報発信や宣伝に携われたら。そのためにより地域を知っておきたいということで、さまざまなイベントやアルバイトに参加している側面もあります。自分が楽しみながら続けていって、東栄町の魅力を伝えるのはもちろん、“移住いいな”ってたくさんの方に興味を持ってもらえると嬉しいです。

「川の畔の暮らし」画像提供=やまださん(@yamadasan_0106)

【写真】東栄町は川がきれい!深さによって鮮やかな青や緑に変わるそうです画像提供=やまださん(@yamadasan_0106)

【写真】やまださんが移住した愛知県の東栄町。自然豊かでおだやかな雰囲気が伝わってきます画像提供=やまださん(@yamadasan_0106)


インタビューでは、ご自身の移住の経緯や現在の暮らしを健やかな笑顔で語ってくれたやまださん。Instagramやブログでは地方移住に関する情報を積極的に発信している。いちどは憧れる「田舎暮らし」。興味のある方はぜひ参考にしてみてほしい。

取材・文=川倉由起子

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