【影山貴彦のTVコラム・がんばれ関西ローカル!】   ステッカーの威力強し。 「よ~いドン!」人気は盤石

関西ウォーカー

カンテレの看板番組といえば、「よ~いドン!」。帯番組ということもあるが、同局の番組の中でも、視聴者からの問い合わせが群を抜いて多いそうだ。そして名物コーナーといえば、「となりの人間国宝さん」。メイン司会の円 広志に加え、月亭八光、織田信成が、それぞれ関西の町を隈なく歩き回り、とっておきの人をクローズアップする。

何気なく関西の町を歩くだけで、「となりの人間国宝さん」と書かれたステッカーが貼られているのをしばしば目にする。大事そうにステッカーを額に飾っている店もあるし、色落ちしないよう、しっかりとビニールコーティングしている方もいらっしゃる。現在、類似の番組やコーナーが他局にも増えたが、このステッカーの威力がある限り、まだ当分「よ~いドン!」の天下は続きそうだ。

番組でお気に入りのコーナーに、たむらけんじの「いきなり!日帰りツアー」がある。それこそ町でいきなり声を掛け、主に女性2人を日帰り旅に連れ出すという火曜日の企画だ。コーナーが始まったときは、「これは無理や!」と思った。実際、飛行機や新幹線の時間に間に合わず、たむけんが一人旅をしたこともあった。それはそれで面白かったが。今では、たむけんの卓越した力で概ねスムーズに事が運ぶ。ただ、あまりスムーズになると番組として物足りなくなる。そのさじ加減、見せ方もうまい。

影山貴彦(かげやまたかひこ)同志社女子大学 学芸学部情報メディア学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「影山教授の教え子が泣きにくる。~涙が笑顔にかわる京都の女子大研究室」など

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