坂口健太郎「BTSのJ-HOPEさんと久々に再会」K-POP好きで&TEAMのMV出演も
東京ウォーカー(全国版)
昨年は映画『余命10年』や『ヘルドッグス』、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」や「競争の番人」といった作品で幅広い役柄を演じ、新たな魅力を開花させた俳優・坂口健太郎。最新主演作『サイド バイ サイド 隣にいる人』では、“目の前に存在しない誰かの想いが見える力で周囲の人を癒やす”不思議な青年・未山を演じている。未山と、彼に救われた人々の心の機微を描いた本作の撮影秘話や、役への思いなどを語ってもらった。
未山のことが好きになって「作品への意欲がどんどん高まった」
――伊藤ちひろ監督が書き下ろした本作のオリジナル脚本を最初に読まれた時はどのような印象を受けましたか?
【坂口健太郎】通常はお話がきた段階で脚本や台本をいただくのですが、本作に関しては伊藤監督の「坂口くんを撮ってみたい」という言葉がスタートでした。そこから徐々に具体的に話が進んでいって、出来上がった台本を読んだ時に、“監督の中ではきっと僕のことがこういう風に見えているんだな”とか“こういう感覚で僕を捉えてくれているんだな”というのが伝わってきたのを覚えています。
――つまり未山という役にご自身を重ね合わせて台本を読まれたということでしょうか?
【坂口健太郎】そうですね。恐らく僕にあて書きしてくださった役だと思うので、自分自身を重ね合わせながら読みました。未山の中に“自分が知らない自分”を見つけて少し驚いたんです。だけど台本を読んだマネージャーさんが「監督は坂口くんのことをよくわかってらっしゃるね」と言ったので、“なるほど、客観的に見るとこんな感じなんだ”と気付かされて。それで未山のことが好きになって、役に対してだけじゃなく作品への意欲がどんどん高まっていきましたね。
――未山は“生き霊が見える”“人を癒やす”など不思議な力を持った青年です。坂口さんは不思議な体験をされたことはありますか?
【坂口健太郎】僕は霊感みたいなものがまったくないんです。だけど霊は存在すると思っているので、心霊番組なんかは割と好きですね(笑)。
――それは霊感がないからこそですよね(笑)。
【坂口健太郎】そうかもしれませんね(笑)。
――先ほど仰っていた“自分が知らない自分”というのはどんなところでしたか?
【坂口健太郎】監督が僕に対して感じた“坂口健太郎ってこんな瞬間があるよね”“こんな感じだよね”というイメージを具現化したのが今回の脚本なので、未山の一挙手一投足が“自分が知らない自分”だと思いました。撮影の最初の頃に「未山という存在がただそこにいるだけでいいから」と監督が仰ったのですが、“ただそこにいる”というお芝居は俳優にとってすごく難しいことでもあるんです。
――クランクイン前にご自身の中で未山像というものもしっかりと作っていたりしますしね。
【坂口健太郎】そうですね。あともうひとつ、「未山以外の登場人物にとって、未山は水面鏡のような人間でいてほしい」と監督が仰ったのですが、それってつまり“対峙する相手によって未山の見え方や存在の仕方が変わる”ということでもあるのですが、“ただそこにいる”と同様に難しいお題でもあり、とても興味深いリクエストだなと思いながら挑んでいました。
観終わったあとに「映画についてあれこれ考える時間はすごく豊かだなと思います」
――完成をご覧になってみていかがでしたか?
【坂口健太郎】明確な答えが用意されている作品ではないので、“あれはどういうことなのかな?”と、演じた本人でもわからない部分はありました。監督も余白を残しながらすごく丁寧に撮っていたので、本作をご覧になる方にも、それぞれ好きなように解釈して楽しんでもらいたいです。
――今回、現場で印象に残ったことがあれば教えていただけますか。
【坂口健太郎】監督が空間をとても重要視して撮っていたのが印象に残っています。例えば、キッチン側からリビングを映すシーンでは、人物が少し画面から切れてしまっても構わないぐらいの画の作り方をしていて、極端な話、部屋の中に市川実日子さん演じる詩織や磯村アメリちゃん演じる美々の声が響いていれば、二人の存在を感じられるので成立してしまうんですよね。
普通は、画面から切れてしまった人物のカットバック(複数のシーンを交互に入れ込む描写方法のこと)を入れて、そこにさらに相手の受けのお芝居のカットが入るという流れになるのですが、あえてそういうカットは入れずに、空間で起きたことをそのまま切り取っていくやり方がとても新鮮に感じました。
――映っていないからこそ、“あの人はもしかしたらこんな表情をしているのではないか…”と想像力を掻き立てられたりしますよね。
【坂口健太郎】仰る通りで、そういうシーンは観終わったあとに自分の中に強く残っていたりするんですよね。その余韻こそが映画のおもしろさだったりしますし、“あれはもしかしたら?”と映画についてあれこれ考える時間はすごく豊かだなと思います。
――監督の演出方法で印象に残ったことも教えていただけますか。
【坂口健太郎】普段、誰かとお話している時って、無意識に腕組みをしたり鼻を触ったり、目線を上げたり下げたりするじゃないですか。それを“未山を演じている時は全部やらないで欲しい”と監督が仰ったので、とにかく動きを排除して、ただ座る、ただ立っている、その上で人と喋るというのを意識してやっていました。
演じている最中はすごく違和感があったのですが、撮ったシーンを観てみると、未山が何かの象徴のような、不思議な存在になっていたのでおもしろかったですね。
――監督が「坂口さんの整った特別で神秘的なビジュアルを生かし、彼でなければ演じられないものにしようと思いました」とコメントされていましたが、そういった言葉や本作をとおして、改めてご自身のビジュアル面での魅力をどう捉えていらっしゃいますか?
【坂口健太郎】『ナラタージュ』に出演した時に、行定勲監督が「坂口くんはいい意味で歪んでいるよね」と仰ったんです。でも当時の僕は“爽やかな好青年”とか“かっこいい”といったイメージを持たれることが多かったので、監督の言葉を聞いて「そうなんです。僕は歪んでるんです」と少しうれしそうに答えたのを覚えています(笑)。
――世間が抱くイメージとは違う自分を見つけてもらえたようなうれしさだったのでしょうか?
【坂口健太郎】それもありますし、ほかにもお芝居の面で“こう演じたらきれいなのにそっちに行かないよね”と、なんとなく本質を突くようなことを言って下さった方もいて、それを褒め言葉だと自分では捉えているんです。客観的に見て、僕のそういった部分を魅力的に感じてもらえていたらいいなと。
先ほどの質問の答えとは違うかもしれないけれど、今回改めて自分のビジュアルが役に影響を与えるとか、作品の大事な部分を担うこともあるんだと気付かせてもらえたのは大きかったです。
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