「押し入れは開けないで！」ストック上手な妻の秘密とは？衝撃のホラー＆微ギャグ展開に「世にも奇妙な物語みたい」と大反響【作者に聞いた】

消耗品から時計まで、すぐにストックを出してくれるデキる妻が押し入れに隠している秘密とは――？今回は、ゴールデンウィークの楽しい読書ライフにぴったりなコミカルホラーをピックアップ。「世にも奇妙な物語みたい!!」「ホラーでもありギャグでもあるような」と反響を呼んだ、一坊主( @konnamiraiwo) さんの「怪奇な小噺」シリーズから「開けないで」を紹介しよう。

ストック上手の妻が次に取り出したものとは…？

歯磨き粉がなくなると「大丈夫！ストックあるから！」と笑顔で歯磨き粉を持ってきてくれる妻と、それを「完ペキ！」「できる妻！」と褒める夫と息子のしょう太。そんな幸せな3人家族の風景から始まる本ストーリー。

壁掛け時計が止まった時も、妻はすぐに電池を持ってきたが、どうやら本体が故障してしまったようだ。すると、妻は押し入れに行き、なんと時計のストックも出してきた。押し入れから何でも出てくることに疑問を持った夫に対して、「開けないでね」と一言。いつもの優しい妻とは違う態度に、徐々に不安が募っていく。

ある晩、夫が帰宅すると、妻が庭で大きな穴を掘っていた。その横には子供一人分ほどの大きな袋が置いてある。しょう太がいないことを問い詰めると、「2階じゃない？」とごまかす妻。「その袋を見せろ！」と強引に袋を開けると、夫は絶句する。その中に入っていたものとは――？

「ストックが過剰な妻」というリアルな恐怖

押し入れに何でもある「ストック好きな主婦」と言う設定がリアルな本作。作者である一坊主さんに本作を描くきっかけや制作時の工夫などを伺った。

「僕の妻が日用品などを押し入れにストックしているのを見て、ストックが過剰な妻が何をストックしてたら一番怖いかなぁと考えたのがキッカケです」

制作時は、特に奥さんの表情に意識したという。「奥さんの方は過剰になりすぎないように、さも当然かのような自然な表情の方が怖くなるかなぁと思って描きました」

まるで「世にも奇妙な物語みたい」と言う読者の声も多かったが、「意識して描いたつもりはなかったが子供の頃から好きだった」と一坊主さん。

「あの家族は、実は何回目なんだろう？」と読者側がいろいろ想像できる余地もあり、それがますます恐怖を呼ぶ。

「そのあたり計算できるといいのですが。漠然とあまり説明をしない方が怖さに結びつくのかなぁと思って描いています」

衝撃の展開については、「いつもはもっと構成から作画まで時間がかかるのですが、この作品に関しては勢いで描き上げることができました」と語る。また、秘密の押し入れについては、「ドラえもんのポケットだと思ってください」とのこと。最後のコマで、押し入れの奥にある恐ろしすぎるストックにも注目してほしい。

取材協力：一坊主(@konnamiraiwo)