小林亮太、舞台『鬼滅の刃』以来の末満健一演出舞台に「美少年役は末満さんからの挑戦状」

東京ウォーカー(全国版)

演出家・末満健一さんが手がける、ミュージカル『キルバーン』に出演する小林亮太さん。2025年9月13日(土)に開幕する本作で、小林さんは主演の松岡充さんが演じる不老不死の吸血種《TRUMP》不死卿ドナテルロに仕える執事・美少年グスタフを演じる。そこで、本作がTRUMPシリーズへの初参戦となる小林さんに、長年愛されるTRUMPシリーズの魅力や役柄の印象など、広く語ってもらった。

ミュージカル『キルバーン』に出演する小林亮太さん


末満さんと同じ感覚をもてるように演じたい

――長年多くの人に愛されているTRUMPシリーズですが、どんなところに魅力を感じますか?

【小林亮太】永遠の命を求める吸血種《ヴァンプ》と不老不死の吸血種《TRUMP》の関わりや、儚さ、刹那の愛など、さまざまな要素が詰め込まれた作品ですよね。個人的な感覚ですが、ストーリーの展開的におそらく死ぬことはなさそうなキャラクターであっても、どこか死の気配がするんですよね。登場人物全員に“死”がまとわりついているというか。演劇だからこそ表現できる世界観だとも思いますし、たくさんの方がTRUMPシリーズに惹かれてしまう気持ちがよくわかります。

――そんなTRUMPシリーズの世界観を描いているのが、舞台『鬼滅の刃』でご一緒された末満健一さんですね。

【小林亮太】オリジナルでこの世界観を作り出していることも驚きですし、末満さんの頭の中には作品の時系列や一人ひとりのキャラクター設定が入っているのかと思うと、本当にすごい方だと思います。舞台『鬼滅の刃』で僕は、末満さんの脳内にあるビジョンを体現するために必死に動いていた、という感覚でした。自分の考えを持って行って末満さんとすり合わせる、ということができていなかったように感じていて。それがとても悔しく、少しトラウマになっている部分でもあります。だからこそ、本作では末満さんと同じ感覚をもてるように、末満さんの脳内に僕が入り込むようなイメージでやっていきたいという思いです。


26歳での美少年役は「末満さんからの挑戦状」

――美少年グスタフは、不死卿ドナテルロに絶対的な忠誠を尽くす役どころです。稽古にはまだ入っていないとのことですが、現時点ではどのような役柄だと捉えていますか?

【小林亮太】誰かに付き従っている身分の人は、自分が本来思っていることを抑え込むというか、さまざまな葛藤を抱えていると思うんです。では、グスタフは“心の中で本当は何を考えているのか”という部分が、演じるうえでのカギになるなと感じています。あとは、美少年という肩書きをつけられてしまっているので…(笑)。

――小林さんは以前、舞台『パタリロ!』★スターダスト計画★でも美少年のビョルン&アンドレセン役を演じていますね。

【小林亮太】パタリロの頃は19歳だったので、まだ成立していたのかなと思うのですが、今26歳の僕が美少年を演じるということで、「美少年か、美少年ってなんだ?」と悩んでしまっています。美少年とは、人を惹きつける容姿なのか振る舞いなのか…難しいですね。


――本作の情報解禁時にも、Xに「美少年…」という含みのあるポストをされていました。

【小林亮太】末満さんからオファーをいただいたのは、『鬼滅の刃』を卒業して初めてのことでした。だから、先ほども言ったように「当時果たせなかったことも果たしたい」と意気込んでいたところに美少年役がきたので、あのようなポストをしてしまいました(笑)。

でも、この役は末満さんからの“挑戦状”のような気もしているんです。本作は、キャラクタービジュアルも色とりどりですし、登場人物や役者さんも個性的な方ばかり。その中で、自分と美少年をどう組み合わせていくかを考えて、僕だけの色を表現できたらいいなと思っています。

――グスタフは、難易度の高い役柄になりそうですか?

【小林亮太】そうですね。グスタフの思考回路は僕自身にはあまりないというか、どうしてこの心情になったのかという大まかなところは理解できても、自分事として捉えたときに、やっぱりよくわからないかも、となってしまって。ドナテルロも含めて、他の登場人物たちと向き合いながら、少しずつ感覚をつかんでいきたいです。


「岩から大の字で川に飛び込んだ」非日常エピソード

――“脳天突き破るヒャッハーミュージカル”というキャッチコピーにちなみ、最近小林さんが「ヒャッハー」と感じた出来事があれば教えてください。

【小林亮太】先日、友人たちと川に遊びに行きました。そこに飛び込みができる大きな岩があったので、岩から大の字で川に飛び込んだことが“ヒャッハー”でしたね。川の水の温度も心地よくて、爽快でした。家族連れの友人も一緒だったりしたので、すごく楽しかったです。いい夏の思い出になりました。

――公演を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。

【小林亮太】本作は僕たちキャストだけではなく、お客さまと一緒に作っていく作品だと思っています。人によっては戸惑ってしまうこともあるかもしれませんが、その感覚すらもぜひ劇場で体験してみてほしいです。楽しんでいただける作品をお届けできるように頑張りますので、ぜひ劇場にお越しください。


撮影=大塚秀美
取材・文=榎本麻紀恵
ヘアメイク=田中宏昌
スタイリスト=石橋修一
衣装協力=ベスト、Tシャツ、パンツ(以上すべてNEPHOLOGIST)、アクセサリ(Sunku/HIRAKU PR)、その他スタイリスト私物<小林>

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

注目情報