福岡の中心部からほど近い薬院エリア。マンションなども多く、都市部で暮らす人たちが日常食べる、食事パンが充実している店が多いのもポイント。歴史ある市場内のパン屋さんなど、ユニークな店も訪ねてみよう。
ハード系ならココ!新しいパンの楽しみ方を発見「The ROOTS neighborhood bakery」
「The ROOTS neighborhood bakery(ザ ルーツ ネイバーフッド ベーカリー)」の店主の三浦寛史さんが修業したのは、フレンチ出身のシェフが開いた大阪の気鋭店。三浦さん自身も星付きレストランなどで得た食材の組み合わせの妙をパンに落とし込み、モダンな味わいを目指す。
“足し算しすぎの味”とも言われるそうだが、パンの新しい組み合わせを発見してほしいと、研究に余念がない。
30時間発酵させたしっかり酸味を感じるカンパーニュなど、ハード系は近隣のレストランからも信頼は絶大。カンパーニュはライ麦2種類、全粒粉が1種類、小麦粉が3種類と計6種類もの粉をブレンドし理想の味を目指す。
「うちのパンは食べ方を間違えたら大ケガします(笑)」と言うが、狙いすました味は料理と組み合わせた時、唯一無二のおいしさとなる。ハード系は予約がベター。
[The ROOTS neighborhood bakery]福岡県福岡市中央区薬院4-18-7 / 092-526-0150 / 9:00〜19:00 / 月曜休み
毎日食べたい!個性豊かな約10種類の食パン「パン屋 むつか堂」
店名のとおり「薬院六つ角」に店を構え、2時間ごとに焼きたてが並ぶ食パン専門店「パン屋 むつか堂」。経験豊富な3人のパン職人が試作を繰り返して作り上げた名物「角型食パン」(378円)をはじめ、オレンジピール、クルミが入ったものなど約10種類がそろい、好きな厚さや枚数にその場でカットしてくれる。
「クロックムッシュ」(648円)や、「海老カツサンド」(378円)などの調理パンも評判だ。ラスクやハチミツ、ジャムの販売も行っている。
[パン屋 むつか堂]福岡県福岡市中央区薬院2-15-2 ルミエール薬院1F / 092-726-6079 / 10:00~20:00※売切れ次第終了 / 日曜休み
自家製の天然酵母と粉の配合が決め手「ブーランジェリーレスト」
2005年の開業以来、絶やすことなく引き継いでいる天然酵母。そして、石臼で丁寧に挽いた香り高い国産小麦。この2つは「ブーランジェリーレスト」を語るうえで欠かせない。なかでも天然酵母を使用するパンは、種類によって粉の配合を変えるというこだわりぶりだ。
イチオシは水曜日限定の食パン・極~きわみ~(420円)。生クリームと牛乳、バターをたっぷり使った極めて贅沢な味を堪能しよう。このほか、木・土・日・月曜日限定の食パンもある。
[ブーランジェリーレスト]福岡県福岡市中央区御所ヶ谷2-45 / 092-521-4687 / 8:00~19:00 / なし
夫婦が作り出す安心・安全のパン「Bakery kanatsugu」
「Bakery kanatsugu(ベーカリーカナツグ)」の黒と白で統一されたクラシックな空間には、アンティーク調の机が一台。上には約35種類の種類豊富なパンが整列している。
ガラス張りになった工房内では、オーナー・金次俊典さんがパンを黙々と制作する。「作業をしている姿をオープンな雰囲気にして見ていただくことで、よりお客さまに安心してほしくて」と話すのは奥さんの泉さんだ。子供も安心して食べられるよう、パンには無添加の素材しか使っていないのも特徴だ。
[Bakery kanatsugu]福岡県福岡市中央区古小烏町81 シャンボール桜坂1F / 092-775-5854 / 8:00~18:00※売切れ次第終了
和菓子屋ならではの個性派が勢ぞろい「髙島屋・やなぎばしのぱん屋さん」
「髙島屋」は柳橋連合市場東入口に構える1952(昭和27)年創業の和菓子の老舗。3代目の髙島龍二さんが、「髙島屋・やなぎばしのぱん屋さん」として、2004(平成16)年からパンも販売するようになった。
和菓子店仕込みの上品なあんこのほか、洋酒を使わずブドウを煮た「どっさりぶどうぱん」(170円)、黒ゴマをクリームに練り込んだ「ごまクリームパン」(150円)など、所々に和のエッセンスが感じられる。向かいの「マヌコーヒー」でコーヒーを注文すると、買ったパンを持ち込んで食べることもできる。
[髙島屋・やなぎばしのぱん屋さん]福岡県福岡市中央区春吉1-2-1 / 092-761-3462 / 9:00~18:00 / 日曜・祝日休み
九州ウォーカー編集部