音楽プロデューサーが仕掛けるフードテック「ごちめし&さきめし」の次なる展開とは?

東京ウォーカー(全国版)

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わずか3年で通算利用100万回超!「ごちめし」の次なる展開について聞いてみた!

コロナ禍で飲食店が苦戦する中、あるプロジェクトがスタートし、注目を浴びた。それが「さきめし」だ。外出自粛などで今は行けない自分のお気に入りの飲食店に食事代を先払いし、新型コロナウイルスが落ち着いた時期に食べに行くというシステムで、コロナ禍に即時対応。前回のインタビューでは、「さきめし」を手掛け、そのほか、さまざまなフードテックサービスを運営するGigi株式会社の代表取締役の今井了介さんに「さきめし」に込めた思いについて聞かせてもらった。

今回は、「ごちめし」「さきめし」の次なる展開として始めた「びずめし」や、2023年にスタート予定の「こどもごちめし」について、さらに詳しくインタビューをした。

今井了介さん。作曲家・音楽プロデューサー【画像提供=Gigi株式会社】


まちの飲食店が「社員食堂」に変身!?さらにプロジェクトは「こどもごちめし」へと続く

――次の展開として始められた、まちの飲食店を「社員食堂」として利用できる「びずめし」について教えてください。さまざまな働き方が混在するニューノーマル時代の福利厚生として画期的なアイデアですね。

まちの飲食店を社員食堂として活用できる「びずめし」【画像提供=Gigi株式会社】

【今井了介】「びずめし」は2021年2月にスタートさせました。実はフードテックサービスを主体とするGigi株式会社を立ち上げたときから、まちの飲食店を社員食堂として活用できる「びずめし」の仕組みは構想として描いていました。事業者である飲食店から利用手数料を取らない分、さまざまなシーンに落とし込める「ごちめし」は、面を広く取ったサービスであることは必須。そのシーンのひとつとして「びずめし」にはいつか着手したいと考えていました。

【今井了介】「びずめし」もまた「ごちめし」の仕組みを転用したサービスで、要は食事というギフトを贈る側が企業、贈られる側が社員という関係性になっているだけ。企業としては社員食堂を社屋に設ける必要がないというメリット、社員はその日の気分で好きな店を選べるというメリットがあります。さらに、まちの飲食店には飲食代が支払われるわけで、地域活性にも一役買う。私はこれを“社食のDX”と呼んでいて、企業にとっても、社員にとっても、さらには地域の飲食店にとってもメリットを生む仕組みだと考えています。よくお話させていただくのが、サンフランシスコはIT企業などの誘致に積極的なのですが、その企業が社員食堂を作ってしまうと、地元の飲食店に経済波及効果が小さいとされ、社員食堂を作ってはいけないという条例ができたという一例があります。大きな企業であればあるほど、働く人の数が増え、その人たちが毎日社員食堂で食事をすると考えると、「びずめし」のほうが地域貢献度は高いはずですよね?企業側の福利厚生という点で考えると、社員満足度を上げる意味でも勤務中の食事は大切。それをクリアにするのが「びずめし」であり、結果的に離職率が軽減され、採用費用を下げることにもつながる。これが「びずめし」の強みだと考えています。

――2023年(令和5年)、「こどもごちめし」のプロジェクトがスタート予定とのことですが、こちらの概要について教えてください。

Gigi株式会社が本社を置くのは福岡市【画像提供=Gigi株式会社】

【今井了介】全国各地にこども食堂は広まっており、素晴らしい取り組みなのは言わずもがな。ただ、どうしても乗り越えられない壁は存在します。こども食堂は個別の飲食店やボランティアで自宅を開放している方、各地域の支援団体などによって成り立っていますが、食事を求めている子どもたちに毎日必ず食事を提供できる仕組みを善意のみで作れるかというと、なかなか難しい。そこで「ごちめし」の仕組みを活用して、子どもたちへの支援はもちろん、地域の飲食店の売り上げをサポートでき、運営する自治体などの初期費用・運用資金の負担も少ない“三方よし”の次世代型こども食堂を全国展開するのが「こどもごちめし」プロジェクトです。

人との出会いを大切にするのも今井さんのモットー【画像提供=Gigi株式会社】


自分自身がおもしろがれることを目指してやってきただけ

――今井さんは20年以上音楽畑一筋でやってこられたのに、なぜこのような“食”にまつわるアイデアを思いつくことができたのでしょう。
【今井了介】私にとってフードテックサービスも音楽も同じ感覚なんです。音楽も「今、これが流行っているから」という理由だけで同じような曲を作るのは何か違うと考えていて、私の最初のヒット曲となったDOUBLEの「Shake」を手掛けた際も、「こんな洋楽っぽい曲は今の日本では流行らない」といったことを言われたんですね。ただ、結果的に多くの方々に受け入れていただき、ある意味、その当時のJ-POPのトレンドを変えるきっかけになった。前例がないことをやって、「ゲームチェンジを起こしたい」「最初の曲がり角になりたい」といった感覚は音楽、食の分野ともに同じだと思っています。誰もやっていないことで世の中を変えたいという思いは、事業に取り組むときの大きなモチベーションになりますし、できればゼロイチを生み出す現場にずっと居続けられたらと考えていますね。

――最後に今井さんが仕事をしていく中で大切にしている考え方、人との関わり方があれば教えてください。

2019年(令和元年)には初の書籍『さよなら、ヒット曲』を上梓【画像提供=Gigi株式会社】

【今井了介】細かなことをあげ始めたらたくさんあるのですが、大きくこの3つは大切にしています。
それが、
1. 圧倒的であること
2. 謙虚であれ
3. 寂しがらないこと
です。

【今井了介】まず、「圧倒的であること」ですが、これは言葉どおりで、すべてのことに関して、誰もやっていなかったり、ブルーオーシャンと呼べるようなモノ・コトを目指すようにしています。一方でそういった考え方でいると、自我が先行してセルフィッシュになりがちだったりするので「謙虚であれ」という考えも大切になると私は考えます。直感も大切なのですが、周りの人の意見にもしっかり耳を傾けないと、どこにどんな真実があるかわかりません。主観だけを頼りにして、客観をないがしろにしていたら、自分が見誤っていた、なんてことは往々にしてあります。

【今井了介】そして最後の「寂しがらないこと」ですが、これが結構大事なポイント。誰もトライしていない領域、ブルーオーシャンに足を踏み出すとき、支持してくれる人なんてそうそう簡単には現れません。否定され、批判され、時には罵倒されることもあるかもしれません。そのときに、寂しくなって孤独を恐れ、周りの意見に合わせすぎてしまうと、せっかく自分が練りに練ったプランやプロジェクトの根っこの部分から崩れてしまう。そうやってチャンスを逃してしまった人を私は多く見てきました。もちろん、いろいろな事情がありますから、迎合することが絶対NGではないんですが、根っことなる部分を貫けるか、貫けないかの差は数年後、大きなズレになると私は思っています。要は「たいがいの人は孤独なのだよ」ということで、できるだけ寂しがらずにいるように、といつも私は心に留めています。

この記事のひときわ #やくにたつ
・誰もやっていない領域にチャレンジするときの孤独を受け入れる
・迎合することはNGではないが、根幹部分を貫けるか貫けないかの差は大きい

取材・文=諫山力

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