オンライン面接、リモート化でのオンボーディング…コロナ禍で変わった採用活動とこれから

東京ウォーカー(全国版)

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2020年にはじまったコロナ禍から早3年、働き方やオフィスのあり方は大きく変化した。採用活動も例外ではなく、オンラインでの面接実施といった転換点、またリモートワークが進む中でのオンボーディング(新しい仲間の順応を促進する取り組み)などの課題が生まれることとなった。

5月に新型コロナウイルスの5類感染症への移行を控えるなか、株式会社MIXIと株式会社LIXILはメディア向けトークイベント「企業活動の変化と未来を考える。」を開催。両社の採用担当者が、コロナ禍での採用の変化を振り返りながら、再び社会様式が大きく変動するであろうこれからを見据えた取り組みについて語った。

コロナ禍における採用活動の変化と今後についてトークセッションが行われた


オンライン面接で「質・量ともに向上」の反面、「見極めの難しさ」も

同イベントでは、戦略総務研究所所長で「月刊総務」代表の豊田健一さんをモデレーターに、「採用」「働き方」「オフィス」の三部構成でMIXIとLIXIL各担当者が登壇。第一部「コロナ禍における採用活動の変化とアフターコロナを見据えた採用活動」では、株式会社MIXI 人事本部 人材採用部部長の杉村元規さんと、株式会社LIXIL 人材採用チーム リーダーの岩佐泰起さんが採用活動の今とこれからの展望に触れた。

コロナ禍におけるMIXIの採用活動について、杉村さんは大きな変化として「採用面談のオンライン化」「採用広報のコンテンツ化」「オンボーディング強化」の三つをあげる。動画コンテンツを増やしオンライン形式での情報発信を強化したことに加え、面談のオンライン化では日本全国をはじめ海外からもコンタクト可能で自由度が向上したこと、またそれにより量だけでなく質の面でも効率化につながったと話す。

株式会社MIXI 人事本部 人材採用部部長の杉村元規さん(写真左)と、株式会社LIXIL 人材採用チーム リーダーの岩佐泰起さん(写真右)


「オンライン化で多くの志望者の方とコンタクトすることができるゆえに情報量もたまっていったことや、採用担当が現場の方と採用活動について議論することが非常に増え、現場を一体化して採用活動を取り組むようになったかなと思っております」(杉村さん)

LIXILの岩佐さんも同様に、職場のリモート化と面接のオンライン化が進んだことにより、候補者の居住地に縛られない採用ができる恩恵面をあげる。一方で、特に新卒採用において学生側では就職活動の早期化や、学内セミナーや大学からの推薦という形での応募が減少。

「弊社の場合は製造業ですので、理系採用では教授からの学校推薦という形が以前は半数ほど占めていましたし、各大学を訪問して説明会を開催させていただくとけっこうな人数の学生さんに見ていただいたようです。けれどもコロナ禍になって、自分自身でネットを活用して就職活動ができるような時代になり、この2、3年で学生さんの就職活動の仕方は大きく変わってきているなと感じます」(岩佐さん)と変化を語る。

さらに、社内ではオンライン面接において候補者の見極めや魅力づけすることの難しさ、職場だけでなく研修もオンライン化したことで同期のつながりの希薄化といった課題も浮かんできたという。

リモート化でのオンボーディング、「接触機会創出」の重要性

採用前、そして採用後も大きな変化があったコロナ禍。イベント内ではこうした動きにどういったアプローチで対応していったかにも触れられた。

岩佐さんが面接時の取り組みとして効果を感じると話すのは、キャリア採用と同様に新卒採用でも学生に対してダイレクトスカウトの導入をはじめたことだ。有望な人材に直接リーチできるメリットがある反面、工数のかかるダイレクトスカウトだが、昨年からはスカウト業務のみを人材業界の個人事業主に対し業務委託として外注することで効率化を図っているという。また、面接のクオリティ強化の面では、面接官のマニュアルやトレーニングを一元管理する「TA Hub」という社内ポータルサイトを立ち上げ、面接官の質的安定・向上を促す取り組みも実施していると話す。

LIXILでは新卒採用でもキャリア採用同様のダイレクトスカウトを導入したと話す


また、両社が共通する課題として強調する、リモートワーク下でのオンボーディング。MIXIでは緊急事態宣言を受けたリモートワークから発展し、2022年4月から、「マーブルワークスタイル」として、コアタイムの短縮や出社回数を部署ごとに決定するなどリモートワークとオフィスワークを融合した働き方を導入。こうした勤務スタイルによるトラブル増加はないものの、新入社員からは「縦のラインは業務のなかで接触機会も多く関係構築しやすいんですけれど、横の関係構築は(リモート下では)非常に難しいという声が聞こえてきている」と、杉村さんはオンボーディングの現状に触れる。そしてこうした不安に対しては、1on1などを通し兆候を早期に拾い上げるとともに、多人数がそろって来社する機会である入社オリエンテーションを半日程度に圧縮し、浮いた時間で配属先のメンバーとの接触機会を創出できるような取り組みも実施しているという。

「当たり前のことかもしれないですけれど、『ちゃんと会う』というのが一番効くと思っています。入社時に1on1で自己紹介するのももちろん大事ですが、会わないでいると一緒に気づいた関係性が時間とともに薄れてしまうので、うまくタイミングを作って会う機会を増やすというのは絶対に必要なことだと思います」

岩佐さんも「横のつながりを作っていくというところはやっぱりひとつ大きな課題」とし、解決への一環として社内用コミュニケーションツールを活用した他部署との交流強化に取り組みはじめたと話す。

「ワークプレイスという社内用のSNSにて、部門を超えた交流を行うべく、社内SNS内では、登録しておくと部署など関係なく無作為に1on1相手をマッチングしてくれるトライアルのグループがあります。私もそれに登録しておりまして、二週間に一度、全く縁のない部署の方とコミュニケーションが取れるというのは非常に気軽にはじめられていい取り組みのひとつかなと思います」

それに加えて、つながりの構築には上司の役割が非常に重要とも岩佐さんは語り、「やっぱり一番つながりがあるのは同じチームの上司で、そこの関係がしっかりしていれば、ほかの部署のメンバーを紹介したりいろいろなことにつながっていく。新人をどれだけちゃんと受け入れるかという意識をしっかりと高めていくことが大事なのかなと思っています」

「選ばれる会社」になるために重要な意識とは?

第一部の結びでは、豊田さんからこれからの採用活動についてさらに成果が上がる展望について質問が投げかけられた。

杉村さんは「昨今『多様性』と言われるなかで、採用活動でもいかにその多様性を受け入れていくかということはあるかと思います。必ずしも会社に主導権があるという時代も終わっていると思うのと、(入社される方も)いかに会社で自己実現できるかということにより重きを置くようになっていると思いますので、対等な立場でこの会社で働くことをどう選択してもらうかがより重要になってくるかなと」と分析。

「コロナ禍で働き方のスタイルも含めた現状の変化は進んだと思いますが、選ばれる会社になっていくにはまだいろいろと改善していける点が多々あると思います」と抱負を述べた。

「採用活動でもいかにその多様性を受け入れていくか」とこれからの採用への意識を語る杉村さん


また、岩佐さんは「就職活動だけでなく学生の志向も変わってきている」と手触りを語る。

「学生、中途の候補者の方ともに、職種をはじめ、勤務地やどういう働き方をするのかを重視する方が増えてきているという印象を持っています。弊社でも新卒採用において従来の総合職採用から職種別採用をとる企業が増えてきたと思いますが、この流れに合わせてさらにインターンシップを通じての採用活動が増えていくと思います。また、志望者一人ひとりのニーズに合わせられる制度の整備や採用活動がより求められてくるかと思います」

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