ポイントは「自分の指針」を持つことにある。プロが教える、後悔しない「物件の選び方」

東京ウォーカー(全国版)

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インターネットの物件情報サイトを見れば、それこそ星の数ほどの物件が紹介されている。そのなかからどのように自分が欲しい家を選ぶべきだろうか。不動産分野に精通する公認会計士として多くのメディアで活躍する千日太郎さんは、「『自分の指針=コンパス』を磨いていくことが重要」だと語る。肝心な「自分の指針=コンパス」の磨き方を聞いた。

不動産分野に精通する公認会計士として多くのメディアで活躍する千日太郎さんにインタビュー


「現地調査」でしかわからないことがある

私が言う「自分の指針=コンパス」とは、買い手が家に対して持つ「絶対に譲れない条件」です。価格はもちろん、立地に間取り、広さ、日当たり、デザインといったさまざまな条件がありますが、それらのなかで「自分が家に何を求めるのか」という優先順位をしっかりつけておきましょう。

それさえできていれば、いかにたくさんの物件があっても、そのなかから欲しい家は必ず見つかります。むしろ、自分の条件に合う、買ってもいいと思える物件は、それほど多くないといってもいいでしょう。

ただし、その際には必ず「現地調査」をしましょう。というのも、実際に現地調査をすることで、不動産会社の広告やネット情報ではつかめないさまざまなことがわかってくるからです。

広告やネット情報には、いかにその物件がよいかということしか書かれていません。でも、例えば駅までは比較的近いもののその駅までの道が狭くて暗いといったことや、天井が低くて圧迫感があるといったケースもあります。

家を売りたい不動産会社からすれば、あたりまえですが、広告などではそれらの悪条件を明かしません。駅までの道は物件そのものの情報ではないですし、間取り図にわざわざ天井高を示す必要もないからです。後者のケースなら、室内写真もあえて天井を写さないようにしているでしょう。そういった悪条件も、現地調査をすればすぐにわかることです。

もちろん、家という非常に高額のものを買うのですから、多くの人は慎重になっていてしっかりと現地調査をするものです。でも、インターネットでいくらでも情報を得ることができるという便利さゆえに、現地調査を面倒に感じる人も少なからず存在するのです。現地調査を怠れば、それだけ「後悔する物件」を買ってしまう可能性が高まるでしょう。

「自分だけのデータベース」で「自分の指針=コンパス」を磨く

ただ、その肝心な「自分の指針=コンパス」は意外にブレがちです。それも仕方ないでしょう。家を買うというのは人生のうちで何度も経験することではないため、実際に多くの物件を見ていくうちに、「こういう設備もあると便利そう」「この条件の優先順位はちょっと下げようかな」と変わっていくのが当然だからです。

ただし、それはあくまでも物件探しの前半部分までにとどめておきましょう。そうしないと、それこそ自分が家に何を求めているのかがわからなくなり、欲しい家を見つけることが難しくなるからです。

そんな事態に陥らないよう、以下のような自分だけのデータベースを作ってみてください。

【画像】理想の家を見つけるための自分だけのデータベース


これは、数多くの物件の情報を整理して物件ごとに一覧できるようにしておくことで、「自分の指針=コンパス」を明確にして磨いていくためのものです。

ExcelやGoogleスプレッドシートを使って、気になる物件を追加していきます。最初はインターネットから集められる情報だけでも埋められるところを埋めていき、あとは現地調査をして完成させます。特に、「物件のよかった点、悪かった点」はその日のうちに埋めましょう。記憶が鮮明なうちに記録しないと、「どんな物件だったっけ?」と意外に忘れてしまうものだからです。

「確実に資産価値が下がる地域」を知る方法

家に対して持つ「絶対に譲れない条件」はそれぞれです。でも、多くの人が共通して持つのが、「これから買う家の資産価値(地価)が今後どうなるのか?」ということではないでしょうか。

将来のことですから予測するのはなかなか難しいのですが、実は、少なくとも「確実に資産価値が下がるであろう地域」を知ることはできます。なぜなら、国土交通省が平成26年に施行した「改正都市再生特別措置法」に基づく「立地適正化計画」というものがあるからです。

今後、特に地方都市では高齢化がさらに進んで働き手になる若年層の人口は急速に減少していきます。限られた働き手が広い範囲に散らばって住んでいると、さまざまな面で効率が悪くなります。そのため、立地適正化計画によって「居住誘導区域」に住民の居住エリアを緩やかに誘導し、「都市機能誘導区域」に医療や福祉、商業施設を誘導することで、コンパクト化を図ろうとしているのです。

つまり、居住誘導区域外の地域は、確実に資産価値が下がるといえます。実は、これから買おうとしている家が居住誘導区域に入っているかどうかは、宅地建物取引業法では説明が義務づけられている重要事項とはされていないため、不動産会社から説明されることはありません。そのため、自分で調べる必要があります。

国土交通省のホームページによれば、2022年12月31日時点で644都市が立地適正化計画について具体的な取り組みを行っており、そのうち470都市がすでに計画を公表しています。将来の資産価値が気になるという人は、購入予定の家がある自治体のホームページで、買おうとしている家が居住誘導区域に入っているのかそうでないかを確認することをおすすめします。

この記事のひときわ #やくにたつ
・「自分が家に何を求めるのか」という優先順位をつける<br />・家の購入にあたっては必ず「現地調査」をする<br />・購入予定の家が居住誘導区域かを自治体のホームページで確認する

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹

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