ゴキブリ対策グッズが“13万超いいね”で販売数爆増。SNS情報発信のカギは「コミカルさ」

東京ウォーカー(全国版)

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夏が近づき気温が上がると、気になるのがゴキブリの存在。出没したときに頼りになるのが殺虫剤だが、その後は?「天に召されたゴキブリ」を簡単に捨てられると注目を集めているのが、株式会社バリアホーム(大阪府堺市)が開発した「ゴキすぅ~ぽん」。Twitterで商品を紹介すると、13万超(2023年6月現在)の「いいね」が押され、「超画期的!」「こういうのが欲しかった」といったコメントが続々と寄せられた。同社代表取締役の堀保さんに、商品の開発やSNS運用について話を聞いた。

ゴキブリの死骸処理グッズ「ゴキすぅ~ぽん」。2022年に特許を取得した【画像提供=株式会社バリアホーム】


虫嫌いだからこそ生まれた対策グッズ

掃除機のノズルに「ゴキすぅ~ぽん」を取り付けてゴキブリを吸い込み、続けてフェルト製のボールを吸ってふたをすると、内部のフィルターと粘着剤によってゴキブリを閉じ込めることができる。さらに一切手で触れることなく、ゴミ箱にポンと捨てられる。

ゴキブリの死骸処理グッズ「ゴキすぅ~ぽん」。フェルト製のボールを吸うことで、小さな虫も逃しにくくなる【画像提供=株式会社バリアホーム】

開発した堀さんも虫嫌い。自宅の裏が食品工場だったこともあり、頻繁にゴキブリが出没していた。「僕も本当は嫌やけど、そこは父親の仕事というか、やらざるをえない」と、殺虫剤を使ってから、箸でつまんで駆除していた。それでもゴキブリとの距離は近い。死んだと思ったのに“復活”して暴れ出すこともある。「ゴキすぅ~ぽん」は、そんな自分を助けるために作ったという。

初めはプラスチックで作ろうとしたが、それだと売価200〜300円になってしまう。周囲からは「虫1匹にその価格、誰が買うねん」と言われた。そこで、厚手の古紙を使ってコストを削減することで、定価110円という手頃な価格を実現。燃えるゴミとして捨てられるという利点もある。

身体障がい者の方による授産品。安全性を考えて、油性ではなく水性の粘着剤を採用した【画像提供=株式会社バリアホーム】

メインターゲットはひとり暮らしの女性。「ゴキブリは夜行性なので、出没するのは寝る前が多いと思うんです。なんとか殺虫剤を使って殺せたとしても、その後の処理ができずにゴキブリと一夜を過ごしたという方はけっこう多い」と堀さん。ゴキブリを掃除機で吸ったあとに、掃除機ごと捨ててしまった人もいるという。また、若年層ほど虫嫌いの人が多く、虫嫌いということを隠していた男性から「ゴキブリが出て彼女に助けてと言われたとき、これがあって本当助かりました」と言われたこともあった。

SNSはおもしろく、わかりやすく

初回の売り上げ目標は3万個だったが、2021年3月の発売から約2カ月で10万個を突破。発売当初から好調だったが、Twitterで話題になったあとは「爆発的に右肩上がり」だという。投稿では、堀さん自らが黒い上着を羽織ってゴキブリに扮し、画像で使い方を解説した。

Twitterに投稿した画像。社長自らが登場して商品をアピール【画像提供=株式会社バリアホーム】

Twitterに投稿した画像【画像提供=株式会社バリアホーム】

「コミカルな感じがウケたんかな。ここまで社長がプライドなくすことって、ないと思うんですよね。でも商品を広めることを考えたら、何でもないこと。大手の企業さんは、やっぱりブランディングとかあると思うんです。お金をかけて作りたいのは山々ですが、素人感があって『これでほんまに出してもいいのか』っていうギリギリなところを攻められるのも小さい会社のよさ」

あらゆる情報が溢れるSNSで、大切にしているのは「わかりやすさ」。文字は少なく、画像で伝える。YouTubeでは使い方を実演した動画を投稿した。なぜかパンダと宇宙人のかぶり物を着けた「パンダ編」と「宇宙人編」がある。ここでもコミカルさは忘れない。

YouTubeに投稿した動画「ゴキすぅ~ぽん パンダ編 ゴキブリは見るのも触るのも嫌!!!!そんな方必見です!!!!」【画像提供=株式会社バリアホーム】

「ゴキすぅ~ぽん使用動画」では社員が作ったオリジナルソングを使用。「一度聞いたら忘れられない。ついつい口ずさんでしまいそうになる」と堀さん【画像提供=株式会社バリアホーム】

2022年から、夏になると幼稚園や保育園への無償提供を行っている。堀さんは「親が虫嫌いだと、小さい子どもも怖がっちゃうんですよね。『ゴキすぅ~ぽん』があれば、怖がらなくてもいいというのを伝えたい」と話す。クモやゲジゲジ、カメムシといった虫にも使うことができるため、虫嫌いの人の心強い味方となりそうだ。

この記事のひときわ #やくにたつ
・自身の経験が商品を生み出すきっかけになる
・コストをかけなくても強みを活かすことで効果的にPRできる
・SNSでは“わかりやすさ”を優先する

取材・文=伊藤めぐみ

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