チョコレートを作る過程で排出されるカカオ豆の種皮を活用したリサイクルボードを大日本印刷が開発

東京ウォーカー(全国版)

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大日本印刷株式会社(DNP)は、株式会社 明治が取り組む「ひらけ、カカオ。」プロジェクトの一環として、カカオ豆の種皮「カカオハスク」を活用したリサイクルボードを開発。また、このリサイクルボードで新たに作った家具や内装材を用い、快適な空間を表現して来場者に提案するショールーム「CACAO STYLE ROOM」を企画・制作した。

この「CACAO STYLE ROOM」は、明治が立ち上げたカカオハスクのアップサイクルをテーマにした新ブランド「CACAO STYLE」のプロモーション用ブースとして活用される。

明治の「CACAO STYLE ROOM」


「CACAO STYLE ROOM」の壁、ベッド、テーブル、イス、棚に「カカオハスクボード」を使用。カカオハスクを活用した床材はfabula株式会社から、カカオハスクで染色したベッド周りの布類と棚やテーブルの装飾品(「CACAO STYLE」製品)は株式会社 明治から支給されたものを用いている。

「カカオハスクボード」と「CACAO STYLE ROOM」について

DNPグループは、工場の廃材や廃棄衣料品などを加工した再生素材を活用してリサイクルボードを作成し、その特徴を生かしたPOPや什器などをデザインして提供している。そうした実績とノウハウを生かし、今回株式会社 明治と共同で、チョコレートを作る過程で排出されるカカオ豆の種皮「カカオハスク」を活用した再生素材由来の「カカオハスクボード」の開発・作成にいたった。

「カカオハスクボード」は、カカオハスク約30%、廃棄衣料約60%、DNPの工場廃紙約10%を粉砕・圧縮・成形して作成。従来提供している繊維リサイクルボードと同等の強度がある。

また、「カカオハスクボード」と積層段ボールを組み合わせて家具や内装材を作成し、居住空間等として表現した「CACAO STYLE ROOM」は、イベント用のブースとして多くの人に紹介することも想定。積層段ボールを折りたたみや組み立てが容易な構造にすることで、多様な場所での設置や撤収の負荷低減も可能にした。

今後の展開

循環型社会の実現に向けて、多くの企業では、製品などの製造過程で発生する廃棄物などを再生素材として活用するニーズが高まっている。こうした動きに対して、DNPは早くから自社工場での損紙やリサイクル材を活用して、その価値を高める「アップサイクル」の取り組みを行ってきた。特に使用期間が短い店舗POPやショールームのブースには、リサイクル材を活用したいという需要が高い。DNPでは、リサイクル材を使用しながら強度や利便性の高い製品の開発を進めている。

今後も循環型社会の実現に向けて、空間の企画・設計や什器製造などの技術・ノウハウを生かし、多様な廃棄素材の活用に取り組み、素材の特徴を生かした付加価値のある製品への再生(アップサイクル)を推進していく。

「カカオハスクボード」の開発について、担当者に話を聞いてみた。

「(今回の開発について、意図や狙い、ターゲットは?)資源の再利用が大前提ですが、使い捨てではなく、少しでも長く使ってもらえるようなプロダクトへ昇華することで、もともとの材料よりも付加価値を高めるといった狙いがあります。単純にリサイクル材を使ったボードだということ以上に、企業が生産過程の廃棄物を利活用し、そのプロダクトを使用するということに価値があり、今回は明治さんの環境に対する取り組みや考え方を、企業の製品の顧客・ファンに届ける役割を担っています。製造業の中間工程で発生するさまざまな素材をボード材料に活用することができるため、ターゲットは自社の廃材を再利用したいと考えている幅広い製造業と考えています」

「(今回の開発について、イチオシポイントは?)カカオハスク約30%、廃棄衣料約60%、DNPの工場廃紙約10%といった、すべて廃棄物を主原料としたボードであるという点です。企業の製品の廃材を活用することで、企業の環境負荷削減に向けた取り組みを伝える手法としても有効です」

「(今回の開発に関して、アイデアはどのようにして生まれた?また、苦労した点は?)明治さんの新ブランド『CACAO STYLE』の発表会に向けて、その取り組みを象徴するようなカカオハスクボードを活用した居住空間を作成したいという相談を受け、具現化に取り組みました。ボードを成形するにあたり、各種素材の配合率や成形時間などの条件を詰めていく過程で非常に苦労しました。当初は施工を前提にしっかりとしたブースを設計していましたが、持ち回り展示で何度も自分たちで使えるような簡易仕様に切り替え、積層段ボールを活用した持ち運び・組み立て式のブースにすることで長く使えるようにしました」

「(そのほか、循環型社会を目指すなかで取り組んでいる事柄は?)販促支援においては、販促物の環境配慮化(プラスチックの紙化、梱包などの工夫による輸送時のCO2減)などは常時行っています。会社全体では、環境配慮パッケージやリサイクル促進のコミュニケーションなど、幅広い製品サービスの開発・提供を行っております」

「(ユーザーへのメッセージは?)再生材を活用したボードは、デザインや性能に加え、利用シーンに応じた法制度への対応、流通や生産における課題など、今ある居住空間や家具として利用できるようにするには、まだまだ改善の余地・課題があります。さまざまな企業のアップサイクル・リサイクル推進のきっかけとなるよう、今できる取り組みを拡大するとともに、さまざまなパートナーや自治体と協力しながら、技術向上や課題解決を図り、より一層、社会実装していけるように取り組んでいきたいです」

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