揖保乃糸には7つの等級が。よく見る赤帯は上級品、黒や金との違いは?

東京ウォーカー(全国版)

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日本三大そうめんのひとつ「播州手延そうめん」を代表するブランド「揖保乃糸(いぼのいと)」。1年間に生産する揖保乃糸を1本1本つなげていくと、地球700周以上の長さになるのだという。そのうち約80%を占めるのが、スーパーなどでよく目にする赤い帯が目印の「上級品」だ。揖保乃糸は小麦粉の質、麺の細さなどによって等級が定められており、等級ごとに帯が異なる。その一覧を見てみると、赤い帯の「上級」のほかに、贈答用など用途や嗜好に合わせた複数の等級があった。

「揖保乃糸」の製造風景【画像提供=兵庫県手延素麵協同組合】


代表的な7つの等級

揖保乃糸は、兵庫県手延素麺協同組合が製造する播州手延そうめんのブランドで、およそ400軒の組合員によって製造される。代表的な等級は「三神」「特級」「縒(より)つむぎ」「播州小麦」「熟成麺」「上級」「太づくり」の7つ。赤い帯の「上級」は1964年に発売され、50年以上の歴史を持つ、同ブランドの代表商品だ。

上級【画像提供=兵庫県手延素麵協同組合】


上級品の製造期間は毎年10月から翌年の4月まで。小麦粉と食塩水を合わせた生地を帯状に切り出したもの数本を合わせて1本にして、熟成を重ね、ねじりながら細く延ばしていく。麺の太さは0.7〜0.9ミリ。1束(50グラム)に約400本がまとめられている。同組合企画課の天川亮さんは「上級はソフトでコシがあり、また食べたくなる後口のよさ、小麦の豊かな風味が感じられます。主にご家庭向けですが、最も歴史があり、力の入る主力商品です」と話す。

太づくり【画像提供=兵庫県手延素麵協同組合】


北海道産の小麦を使い、少し太く仕上げたことで、モチモチした心地よい歯切れが楽しめるのが紫色の帯の「太づくり」。

熟成麺【画像提供=兵庫県手延素麵協同組合】


金色の帯の「熟成麺」は国家資格である「製麺技能士」の資格を持つ製造者によって作られ、製造後は1年かけて組合のそうめん専用熟成保管倉庫で熟成させる。1年熟成させたそうめんを「ひねもの」といい、コシが増し、舌触りやのど越しがよくなり、新物のそうめんよりも価値が上がるという。

播州小麦【画像提供=兵庫県手延素麵協同組合】


緑色の帯の「播州小麦」は、地元兵庫県産のブランド小麦を使用し、自然な甘みと香ばしい風味と、もちもちとした食感が特徴。

縒つむぎ【画像提供=兵庫県手延素麵協同組合】


国産小麦だけを使用した紫色の帯の「縒つむぎ」は天川さんのイチオシ。「食感がすごくいいので、まずは食感を楽しんでください。アレンジするなら、例えば麺つゆにカレーパウダーを足したり、豆乳やトマトジュースで割ったり。麺つゆのアレンジは手軽で、麺の食感も楽しめるので、入りやすいのでは」

製造期間は3カ月のみ。選抜された熟練製造者だけが作る「特級」と「三神」

黒い帯の「特級」と「三神」は贈答専用商品。製造時期は、厳寒期である12月から2月に限られる。麺の細さは「特級」が0.65ミリ〜0.7ミリ、「三神」はさらに細い0.55〜0.6ミリ。「細い麺は芸術品のように見た目が美しいのはもちろん、これだけ細いのにしっかりとしたコシがあり、つゆがよくからみ、絹のような喉越しを楽しんでいただけます」と天川さん。同組合が選んだ熟練製造者だけが製造でき、最高位である「三神」を製造するのは、組合員約400軒のうち、わずか数軒だという。

特級【画像提供=兵庫県手延素麵協同組合】

三神【画像提供=兵庫県手延素麵協同組合】


「三神」の名前は、そうめんの守り神でもある奈良県桜井市にある大神(おおみわ)神社にまつられる3柱の神様にちなんだという。揖保乃糸の生産地である兵庫県たつの市には、桜井市の大神神社から勧請を受けた「大神神社」があり、地元では「素麺神社」と呼ばれる。「そうめんの製造が終わる5月に例祭を行い、その年のそうめん作りを無事に終えることができた感謝と夏の販売に向けて『いい夏を迎えられますように』とお祈りをします」(天川亮)

【写真】たつの市神岡町にある「素麺神社」。正式には「大神神社(おおみわじんじゃ)」という【画像提供=兵庫県手延素麵協同組合】


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